仙台市は30日、青葉区青葉山に整備する新音楽ホールの大ホール(2000席規模)を公演内容に応じ、客席が360度取り囲む舞台と、客席と向き合う一般的な舞台に切り替え可能にする基本計画の中間案を公表した。市によると、同様の方式を採るホールでは国内最大規模となる。
国内最大規模、聴衆と演奏者が一体感
中間案によると、客席が取り囲む舞台は仙台フィルハーモニー管弦楽団をはじめ、オーケストラによるクラシック音楽の公演を想定。聴衆は指揮者の表情を見ることができ、演奏者との一体感も楽しめる。客席と向き合う舞台はオペラやバレエのほか、ポップスのライブにも活用する。
舞台は客席と音響反射板を出し入れする形で切り替える。国内には大分県佐伯市のさいき城山桜ホール(約900席)の例がある。
市青葉山エリア複合施設整備室の佐々木裕一郎室長は「2000席規模では初の取り組みで話題性もある。(県が宮城野区に整備する)新県民会館とのすみ分けも図れる」と狙いを説明する。
市は新音楽ホールの整備に関し、民間資金を活用する社会資本整備(PFI)ではなく、設計と施工を別々に発注する分離方式を採用する方針も明らかにした。ホールは東日本大震災中心部メモリアル拠点との複合施設で、市が2031年度の開館を目指す。