たった3m、日本一低い仙台・日和山に登頂者続々 証明書発行が急増 コロナ5類移行やSNSが追い風?

 「日本一低い山」として知られる仙台市宮城野区蒲生の日和山(3メートル)の登頂証明書発行枚数が急増している。2022年度は2012枚に上り、発行を始めた17年度(471枚)の5倍近くになった。本年度も前年同期比を上回る勢いだ。昨年5月の新型コロナウイルス5類移行で観光客が増え、海外インフルエンサーの交流サイト(SNS)発信などが追い風になったとみられる。

韓国や台湾からの来訪が増加

 発行場所は市高砂市民センターで、山開きとなる毎年7月から1年間分を集計する。17年度から21年度までは3桁で推移していたが、22年度に初めて4桁に達し、しかも2000枚まで増えた。本年度は25日現在、前年同期を157枚上回る1345枚となり、過去最多の更新も視野に入ってきた。

 22年度は新型コロナの5類移行から2カ月しか重ならなかったが、行動制限が緩和された影響で国内外からの訪問者が大幅に増えた。海外のインフルエンサーが発信するSNSの影響を受け、韓国や台湾からの来訪も増えたという。

 証明書はA5判で、日和山から車で約10分のセンター窓口に登頂写真を持ち込めば無料で発行される。手軽に「日本一登頂」の気分を味わえる「ゆるさ」が受けているとみられる。

 センターの前田義信館長は「被災地バスツアーの訪問先に組み込まれたことはあったが、ここまでの増加はなかった。SNSの影響力はすごい」と驚く。

 日和山のガイドを務める任意団体「中野ふるさとYAMA学校」の佐藤政信さん(77)は「日和山がパワースポットとして注目を集め、多くの人が訪れるのはうれしい。今後もイベントなども通して盛り上げていきたい」と話した。

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