25m泳げる子、35%に激減 宮城・気仙沼の小6調査 コロナや猛暑でプール授業を見送った影響?

 気仙沼市内の小学6年生のうち、25メートルを泳げる児童は3割超にとどまり、新型コロナウイルスの流行前より大幅に減ったことが市教委の調査で分かった。新型コロナや猛暑の影響でプール授業を見送るなどした影響とみられる。市は新年度から民間に委託し「水泳補講」を実施する方針だ。

市が民間スクールで「補講」実施へ 「自分の命守れる子育てる」

 調査は市教委が独自に行った。昨年夏時点で市内の小学校に通う6年生全366人の記録を調べ、集計した。その結果、泳法を問わずにプールで25メートルを泳げる児童は35%だった。以前に調査した2017年度は80%だった。

 市によると、コロナ禍前は水泳の授業を年間8時間程度実施したほか、夏休み中は15日ほどプールを開放していた。新型コロナが流行した20年度は水泳授業、プール開放とも見送った。21、22年度も回数を絞るなどの対応を取った。

 昨年5月に新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行。本年度はほぼ従来通りに水泳授業を行えたが、記録的な猛暑による熱中症への懸念などで、プールを開放できたのは6日程度にとどまった。

 調査結果を受け、市は新年度から市内のスイミングスクールに依頼して夏休み中に「水泳補講」を実施する。対象は希望する市内の中学生。事業費280万円を見込み、財源にはふるさと納税を充てる方針だ。

 プール授業の民間委託も進め、新年度は先行して気仙沼中の授業を市内のスイミングスクールで行う。猛暑の影響を受けず、教員の負担軽減も期待できる。市によると、宮城県内では白石市の一部の小中学校で実施されているという。

 気仙沼市教委の三浦永司教育部長は「泳げる児童が少なくなったことに衝撃を受けた。気仙沼は『海と生きる』を掲げている。水難事故などに遭った際に自分の命を自分で守れる子どもを育てたい」と語る。

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