日本テレビだけが能登半島地震で募金活動を見送っていた 取材に同局認める

能登半島地震の被災者支援で民放各局が募金活動を展開する中、日本テレビだけがこれを見送ったことが分かった。日テレが取材に認めた。見送った理由は昨年、「24時間テレビ」のチャリティー募金で発覚した着服問題だ。地震発生から1日で1か月。着服問題は尾を引いている。 【写真】輪島市で炊き出しを行ったモノマネタレント  国内外で自然災害が起きると、民放各局は視聴者に募金を呼びかける。  能登半島地震でテレビ朝日は「ドラえもん募金」と題し、1月4~18日に集まった2億1000万円を石川県に寄付。TBSは系列テレビ・ラジオ局と現在も実施中で、同月29日までに3億8202万4509円を被災地に寄付している。フジテレビは系列局とともに「サザエさん募金」と題し、2月15日まで募金を受け付け、被災地に寄付する。テレビ東京も自社グループで募金を呼びかけている。  日テレは、「24時間テレビ」を通して募金活動をする「24時間テレビチャリティー委員会」が募金を呼びかけないまま、石川県に1000万円、福井、富山、新潟の3県にそれぞれ500万円寄付した。同局ではこれまで同委員会が募金活動を展開しており、直近では昨年2月のトルコ・シリア地震で募金を呼びかけて集まった2385万2072円を被災地に寄付している。  民放各局にとって自然災害時の募金活動は義務ではないが、能登半島地震から2週間が過ぎたあたりから、関係者の間で「日テレだけが募金活動をしていない」と話題になっていた。  その背景には系列局の着服問題がある。  日テレ系地方局の日本海テレビ(鳥取)の元幹部が2014年から10年間、「24時間テレビ」のチャリティー募金264万6020円などを着服していたことが昨年11月、明るみに出た。元日テレでフリーアナウンサーの羽鳥慎一は同月放送のテレ朝系「羽鳥慎一 モーニングショー」で、視聴者がチャリティー募金への寄付を「〝しない〟となっても仕方がない」と危機感をにじませた。羽鳥は同年8月放送の「24時間テレビ」で総合司会を務めていた。 「チャリティー募金の着服問題で募金管理のあり方を問われ、募金活動を断念したといわれました」(テレビ局関係者)  日テレ総務局広報部に(1)募金活動をしていないのは事実か、(2)着服問題を受けて募金活動をしなかったのか――と取材すると、「チャリティー委員会では、昨年の日本海テレビジョンの寄付金着服の事案を受け、外部識者を交えた検討チームと共同で再発防止策を策定中です。再発防止策などを公表できるまで、募金活動は見送らせていただいております」と回答。やはり募金活動をしていなかった。その代わりに「日本テレビの報道・情報番組では、被災地への募金先として、日本赤十字社とジャパン・プラットフォーム(JPF)をご案内させていただいております」とした。  今年も放送するとみられる「24時間テレビ」でチャリティー募金は行うだろうか。

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