宮城・道の駅三本木がオリジナル日本酒 「完熟マスクメロンにも似た甘い香り」 売り上げUPの起爆剤に

宮城県大崎市三本木の「道の駅三本木やまなみ」は、オリジナル日本酒「駅酒(えきしゅ)三本木」を1000本限定で10日に発売する。地元のベテラン農家が手塩にかけた特別栽培米ササニシキを使い、三本木に本社を構え「伯楽星」で知られる新沢醸造店が純米大吟醸に仕上げた。

特別栽培ササニシキを使用

 道の駅は国道4号沿いに1995年開業したが、近年はコロナ禍で売り上げが3割近く減少。「新たな起爆剤と同時に、地域おこしにもつなげたい」と運営する市三本木振興公社の工藤光男社長。新沢醸造店の新沢巌夫代表に相談して構想を温めてきた。

 「普通の酒では売れない。特別の価値が必要」との助言で探した酒米。地元で農薬や化学肥料を使わないコメ作りを40年以上続ける小関俊夫さん(75)から、昨夏の猛暑を乗り越えたササニシキの1等米600キロの提供を取り付けた。小関さんは「思いに引かれた。どんな酒になるか楽しみ」と話す。

 商品開発にも地元色が生きた。命名は地元の若手経営者らでつくる「三本木未来会議」に相談。ラベルは三本木文化協会の加藤裕美副会長による書を生かし、同会議の本宮幸太郎会長の会社が手がけた。道の駅のマスコットキャラクター「やまなみぼうや」のシールで独自商品を強調する。

 世界的なワイン品評会が選ぶ最優秀蔵元を2年連続で獲得した新沢醸造店の純米大吟醸。「完熟したマスクメロンにも似た甘い香り。コメのうまみがしっかり溶け込み、フレッシュ感、凝縮感、透明感がバランス良く表現された」(杉原健太郎専務)という。

 工藤社長は「三本木の多くの人たちの思いと協力があって、いいお酒を造ることができた。三本木が元気に活性化するような商品にしたい」と話す。

 720ミリリットル入り2500円。販売コーナーの営業は午前9時~午後6時。連絡先は同公社0229(52)6232。

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