仙台市、宿泊税導入へ 検討会了承、「一律200円」の提案は意見割れ再協議へ

仙台市は5日、観光振興の財源確保策として導入を検討している市独自の宿泊税に関し、ホテルや旅館の宿泊者1人当たり一律1泊200円とする方針を示した。市役所で開いた市交流人口拡大推進検討会議第8回会合で提案し、委員は税導入については了承した。税額は「現実的な範囲」「高い」と意見が分かれ、4月に予定する次回会合で再度協議することになった。

 方針によると、一律200円を課す場合、市が目標に掲げる年間の市内宿泊者数650万人を踏まえ、13億円の税収を見込む。徴税費用の7000万円を差し引いた12億3000万円が市の観光振興策に活用できると想定する。

 市は1月の第7回会合で、強化すべき観光振興策の事業規模が年間15億~23億円となる試算を公表。一律300円の案も提示していたが、委員から「財源の活用は必要な施策に絞るべきだ」といった指摘があったことなどから、一律200円が適当と判断した。不足分は国の補助金を活用するなどして埋める考えだ。

 5日の検討会議では、委員の一部が「宿泊者への周知徹底」「使途の明確化」を訴えたものの、税の導入には理解を示した。

 宮城県が3000円以上に1人1泊300円を課す方向で検討中の宿泊税も議論となった。市との税額の配分が焦点となるためだ。

 日本旅行業協会の中村浩彰東北支部長は「市内のホテルは宿泊費1万円以下が多く、負担感が大きい。最高でも(県と市の合計で)200円の範囲で協議すべきだ」と強調。県ホテル旅館生活衛生同業組合の佐藤勘三郎理事長も「温泉旅館は入湯税150円と合わせて450円になる。厳しい」と懸念を口にした。

 会長の吉田浩東北大大学院経済学研究科教授(公共経済学)は終了後、報道各社の取材に「宿泊客の負担を考えると200円が上限のめどになる」と述べた。

 市は本年度中にパブリックコメント(意見公募)を開始する一方、県と市内の配分に関して調整を図る。

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