街中の手軽な移動手段として普及が進む有料貸電動キックボード事業が28日、仙台市中心部で本格的に始まる。全国で事業展開するLuup(ループ、東京)が13日、仙台進出を発表した。既存の有料貸自転車事業DATE BIKE(ダテバイク)と競合するサービスで、利用者の選択肢が広がる。
発表によると、車両の貸し出し・返却を行うポート(駐輪場)は当面、仙台駅を中心に南北約3キロ、東西約4.5キロのエリアに約60カ所開設。車両は電動キックボードと電動自転車を75台ずつ、計150台を投入する。
車両は最後にポートに返せばエリアを出ても構わない。利用状況を見ながらエリア拡大やポートと車両の増強を検討する。
料金は他都市と同様に初乗り50円で、1分ごとに15円が課金される。仮に10分利用すると料金は200円。これとは別に長時間利用が多いユーザー向けに、月980円を支払うと1回30分までが200円で利用できるプランもある。
電動キックボードはこぐ必要のない1人乗りの小型乗り物。16歳以上が利用でき、運転免許は不要。ヘルメットの着用は努力義務となっている。
車道走行が原則で、同社の車両は最高時速を20キロに設定。通行が許可された一部歩道を走る場合、時速6キロが上限の歩道モードを選ぶ必要がある。利用には専用スマートフォンアプリとクレジットカード登録が必要で、事前の年齢確認と交通ルールテストの満点合格も求められる。
2018年設立の同社は東京や神戸など全国8都市で事業を展開。仙台では19年夏に東北大青葉山キャンパス(青葉区)、22年5~10月に仙台駅東口周辺、23年夏は若林区の海浜エリアで、それぞれ実証実験としてサービスを提供した例がある。
同社の広報担当者は「街の利便性と回遊性の向上には公共交通機関に依存しない交通手段が重要。サービスの本格提供で仙台の活性化に寄与したい」と話す。