「1人1台端末」として県立高校の生徒が使用しているタブレット端末に故障が相次いでいる問題で、徳島県は13日、代替機を配備できる時期が一部の学校で夏休み前にずれ込むとの見通しを示した。これまで「新年度が始まる4月までに各校へ届けることが可能」としていたが、新たに電源関係のトラブルが生じた端末が相次いで報告され、追加発注が必要になるためという。(吉田誠一)
県幹部や小学校長、NTT西日本徳島支店の関係者らで構成する県の「教育DX加速化委員会」の緊急会議がこの日、県庁で開かれ、県と県教育委員会が報告した。
県教委は県立高校など29校に配備した中国の電子機器メーカー・ツーウェイ社製のタブレット端末計1万6500台について、各校から週1回、新たな故障台数やその内容の報告を受けている。先月下旬に「バッテリーの持続時間が短い」など電源関係のトラブルを訴える内容が増えたため、駆動時間不足を新たな調査項目に加え、過去分を含めて調査した。
先月以降、毎週82〜289台のペースで増えていた故障・不足台数は、今月5日現在で、1226台に急増。▽故障▽バッテリー膨張などで使用を中止▽駆動時間が1時間未満――を足した台数は計8470台となり、全端末の半数にのぼった。
県教委は、修理により使用できるケースがあるとしつつ、今後も故障や駆動時間の問題が生じる端末が増える可能性があり、「最終的な不足数は見通せない」と説明した。
「できるだけ早く、安全でしっかりとした端末を提供する」との後藤田知事の方針を受け、県は県教委に代わって、代替機の確保を進めてきた。
6500台の代替機をリース方式で調達する費用7200万円を盛り込んだ補正予算案が昨年11月の県議会で可決した。県は故障の報告が多い学校用に500台を調達済みで、近く3000台の入札を予定。加えて県教委に全端末を納入した四電工徳島支店から、3500台の無償貸与を受け、年度内に計7000台の確保を目指していたが、新たなトラブルが判明したことで不足を解消することは難しくなった。
2024年度に調達が必要な端末は従来より1000台多い4000台となり、各校への配備は7月頃にずれ込むという。加速化委員会でトップを務める伊藤大輔副知事は会議で「一刻も早く『1人1台』に戻せるよう整備を進める」と強調した。