あの日の経験と知恵を能登へ 宮城・南三陸から95のメッセージ 震災伝承施設で展示

東日本大震災当時の宮城県南三陸町民の経験を能登半島地震の被災地に伝えようと、同町の震災伝承施設「南三陸311メモリアル」で「あの日あの時の知恵と工夫」と題した特別展示が行われている。4月1日まで。

 町社会福祉協議会の生活支援員や町職員ら約20人が寄せた95のメッセージを展示。「おかずはご飯の上に乗せて食器を最小限に」など断水が続く避難生活での工夫、「支援物資の管理と集配はプロに任せて」といった避難所運営での教訓などを伝える。

 「家があるからいいよね、というひと言が心に突き刺さった」「亡くした家族の分も元気に過ごすことが最良の鎮魂と信じた」など、町民の当時の感情も率直につづられた。来館者が経験やメッセージを記入するコーナーも設けられた。

 施設を運営する町観光協会の伝承事業推進員高橋一清さん(63)は「すぐ使える知識ばかりではないかもしれないが、能登に届いて一つでも参考になればうれしい。復興を信じて負けないでほしい」と語る。

 展示中のメッセージは南三陸311メモリアルのウェブサイトに掲載し、施設のインスタグラムでも英訳や写真を添えて発信している。今後もメッセージを増やしていくという。

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