捨てられる「サメ肉」をバーガーに 宮城県漁協七ケ浜支所の女性部が開発 低・未利用魚の活用目指す

宮城県漁協七ケ浜支所の女性部が、水産加工会社などと連携し、宮城県七ケ浜町で水揚げされる低・未利用魚の活用に取り組んでいる。活動の一環でサメのフライと特産ののりを組み合わせた「サメカツバーガー」を開発。18日、ノリのアレンジ料理のナンバーワンを決めるため同町のながすか多目的広場で開く「N-1グランプリ」に出品し、知名度向上を図る。

18日のイベントに出品、知名度向上へ

 バーガーはサメのフライを焼いたのりで包み、バンズで挟んだ。のり特有の風味と食感を引き出すため、両面にごま油を塗って焼いた後に塩を振って味を調えた。フライのパン粉には粉砕したのりを混ぜた。

 フライにしたのは刺し網漁で取れたヨシキリザメやアオザメ、ホシザメで、塩釜市のマルサン松並商店が切り身に加工し、パン粉をまぶすなどの加工は同市で主にエビやアジのフライを手がける成洋が協力した。

 七ケ浜町では温暖化などの影響で、従来取れたボッケやサケ、ワタリガニの水揚げが減少する一方で、サメや南方系魚種が増えた。漁船の燃料代をはじめとするコストが上がっていることもあり、低・未利用魚の活用が急務となっている。

 その中でもサメは「氷締めや血抜きといった処理をすればおいしく食べられる」(女性部)が、一般の需要が少なく、現状は廃棄されるか、漁師らの家庭でみそ焼きなどで消費されるかにとどまっていた。

 女性部は市場に出ない魚を唐揚げにして販売するなどの活動に取り組んでおり、N-1グランプリに合わせ、サメとノリを組み合わせた商品をPRしようと発案。子どもが食べやすく、見栄えの良いハンバーガーにすることにした。

 女性部の渡辺康子さん(53)は「今までは商品として価値がないとされ、もったいないと思いながら廃棄していた。サメカツバーガーを通じてサメのおいしさを知ってもらうことで、売れる仕組みを作りたい」と意気込む。

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