若手蔵人がプロデュースの日本酒はマスカットの香り 仙台の勝山酒造が22日に発売

仙台伊沢家勝山酒造(仙台市)は若手の蔵人がプロデュースした日本酒「Before Dawn Prototype1・0」を22日に発売する。現在流通する日本酒では珍しいマスカットのような香りが特徴で、多様化する消費者の趣向の取り込みを目指す。

 企画や醸造を手がけたのは2015年入社の松沢遼太郎さん(33)。酒米として使用した「春陽」は、雑味になりやすいタンパク質が、一般的な米の10分の1程度しかない。タンパク質の摂取制限がある腎臓病患者向けに生産する登米市の農家から仕入れた。

 春陽を使った日本酒は2000年代に造られたが、マスカットのような香りが「日本酒らしくない」と敬遠されていった。松沢さんは「趣向が多様化した今なら受け入れられるのではないか」と挑戦を決めた。

 酵母を増やすのに必要なアミノ酸が少なく、醸造時の米の溶かし具合に気を使った。アルコール度数は15%。すっきりとした味わいの甘口で生カキや白身魚のカルパッチョなどに合う。

 春陽が日の目を浴びるようになってほしいと「Before Dawn(夜明け前)」と命名した。味わい深さと香りの華やかさを追求し、試作を重ねる。

 限定900本。720ミリリットル入り2000円。宮城県内の酒販店で販売する。

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