宮城・大郷の大規模スポーツパーク構想 25年度にも着工

サッカーを核とした選手育成、合宿や大会などの事業と、地元農業との提携を図る大郷町のスマートスポーツパーク(SSP)構想を巡り、町は19日、町議会全員協議会で、構想を推進する方針を示した。事業を提案したスポーツX(京都市)の計画を国が認可すれば、2024年度に町が用地を取得、農地転用の手続きを進め、25年度にも着工するという。

 町が事業費や用地取得の方法、事業実施の可否などを検討した23年度の調査事業の概要を報告。町の担当者は「費用便益比は実行可能水準にあり、一定の土地の取得可能性がある」などと説明した。

 町は23年度、事業用地として見込む約55万平方メートルの地権者73人にアンケートを実施。回答した68人のうち9割に当たる61人が土地を売る意向を示したという。

 田中学町長は「農業とスポーツとの共存により、町民に夢を与え、町を救う事業だ。成し遂げないといけない」などと述べた。

 町によると、サッカー関連施設の事業費は約15億円となる見込み。用地取得費など約1億9000万円を町が負担し、残る約13億円をスポーツXが拠出。用地は町が同社に賃貸する。

 構想に含まれる農業団地の活用に向け、町は誘致を目指す複数の企業や法人の条件などを協議中と明かし、農業用地は法人などが直接、地権者から買収または賃貸するとした。

 スポーツXの計画は、27年度の一部稼働、5年目で売り上げ約11億2400万円、営業利益約1億4300万円の確保を目指す。

 全員協議会に出席した小山淳社長は「農業の食糧自給とスポーツによる子どもの教育をセットにした大郷モデルをしっかりつくり上げ、国内外に展開したい」などと語った。

 質疑で町議の間からは「会社の信用度が分からない」「会社の経営情報をもっと公開してほしい」といった声が上がった。

スマートスポーツパーク(SSP)構想 大郷町粕川地区の田畑約55万平方メートルを候補地とし、うち約19万平方メートルにスポーツXがサッカー場12面と宿泊施設2棟を整備。中学、高校生を対象にしたアカデミー事業をはじめ、合宿や大会、研修などを実施するほか、農業体験や農産物の活用などを図る。33万5000平方メートルの農業団地に町が企業や法人を誘致し、大規模、スマート農業を推進する。

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