タレントのタモリさんが街歩きをする人気番組「ブラタモリ」(NHK)のレギュラー放送が2024年3月で終了することが発表され、SNSでは惜しまれる声が寄せられる。そんな中で、3月に刊行される「最新 地学事典」(平凡社)に「ブラタモリ」の項目が加わることが明らかになり、X投稿で反響が広がっている。書籍の編集委員会の共同代表に経緯を聞いた。
ブラタモリ公式サイトより
一般市民や子供にも読んでほしい地学全分野をカバー
注目されているのは、「最新 地学事典」の編集委員で海洋研究開発機構の研究員の浜田盛久さんによる2月14日の「3月に刊行される『最新 地学事典』(この書名に決まりました)に、新項目『ブラタモリ』が掲載されます。地球科学の普及に果たしたこの番組の歴史的意義を、地学事典の利用者に伝えていければと思います」というXのポストだ。
2月16日にJ-CASTニュースの取材に応じた事典編集委員会の共同代表で新潟大学名誉教授の赤井純治さんによると、平凡社の「地学事典」は唯一の地学全分野をカバーした事典で、1970年に初版、80年に増補・改訂版、96年に「新版地学事典」が刊行された。実質的な4版目となる「最新 地学事典」は、3月25日に出版される。
赤井さんは事典について、想定の読者層として専門家や学生がメインだとしつつも、一般の人や子どもにも読んでほしいとし、「地学というのは、地震や環境問題、原発の問題など、市民生活にも非常に繋がっています。なので、そういうところに関連して読んでもらえたらいいと思います。あるいはこの地学事典から科学や地学に関心を持ってもらえたらと。中学生や高校生くらいでも関心のあるところを拾い読みしたら、役に立つのではないかと思います」と説明した。
そのため、事典に収録される2万1000もの項目の中には、「ジオパーク」「キッチン地球科学」など一般市民への地学の普及に関連する分野も入っている。「ブラタモリ」もその一つで、「全国各地、地学の名所を紹介されるとともに、地学的視点が重要だということを、市民に広められた功績は多大」として収録することになったという。
タモリさんは「地学の専門の学生なんかよりよっぽど詳しいくらい」
赤井さんは「ブラタモリ」で見るタモリさんについて「地学の専門の学生なんかよりよっぽど詳しいくらいの印象」といい、「全体を見渡していろんな特徴に気が付き、岩石などについても非常に詳しい方で、私も感心しています」と称賛した。
赤井さんの教え子や近しい地質や地学の関係者も多く番組に出演しているといい、「番組を媒体にして、市民によく知識を普及していただいて、非常にありがたいなと思います」とも述べる。続けて、
「今、環境問題を捉える上で、市民に(地学を)深く理解してもらうということが、非常に重要な時期になってきていると思います。それこそ、能登半島地震もありましたし。原発問題や海洋汚染など、地学の基礎的なところを理解しているのかというのは、非常に大きなファクターだと思います」
と、一般市民が地学への理解を深めることの重要性を説明した。
「ブラタモリ」制作チームは、「地質学の社