豊田織機、エンジン3車種で型式取り消し 国交相が表明

豊田自動織機の排ガスデータ不正問題で、斉藤鉄夫国土交通相は22日の閣議後の記者会見で、同社に対して組織の抜本的な改善を命じる「是正命令」を同日中に出す方針を正式に表明した。

ショベルカーとフォークリフト向けエンジン計3車種について生産に必要な認証「型式指定」を取り消す手続きに入ったことも明らかにした。不正が悪質だったと判断したほか、排ガス性能が基準に適合しないものもあったことを重くみた。同社から意見を聞く「聴聞」を29日に開いた上で正式に処分を決める。

国交省によると、22日午前に豊田自動織機の伊藤浩一社長に対して是正命令書を手渡す。組織体制の見直しなど再発防止策の策定と、実施状況の定期的な報告を求める。

是正命令は2019年改正の道路運送車両法で創設され、日野自動車、ダイハツ工業に続き3例目となる。

同社の特別調査委員会がまとめた報告書は、不正の背景に、産業用機械の生産・開発部門の発言力が強く、エンジン担当部門が開発スケジュールの調整などを協議できない状況でプレッシャーがかかっていた状況があると指摘した。両部門の関係改善に向けた経営陣の取り組みが不十分だったとしていた。

一連の問題で、国交省は1月30日に道路運送車両法に基づき、エンジン担当部門がある同社の碧南工場(愛知県碧南市)へ立ち入り検査した。排ガスデータに関する書類の分析や社員らへの聞き取りを通じ不正の詳細を調べていた。

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