納豆が身体に良いと聞くけれど、どれだけ凄い食材なのかを説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。今回は納豆の「凄さ」と「腸に効くレシピ」、納豆が苦手な人でも納豆菌を摂れる方法をお伝えします。 〈写真〉最強の腸活フード【納豆】の驚くべき効果とは?加熱しても効果がある?苦手な人向けの食べ方も紹介 ■納豆菌と腸の関係 納豆作りに欠かせない「納豆菌」。 納豆は煮大豆に納豆菌を加え発酵させ、大豆のタンパク質を分解しアミノ酸を生成して作ります。納豆菌は腸内環境を整えてくれる作用があり、整腸薬の主成分やサプリメントとしても多く使用されています。 納豆菌の整腸作用は ・私たちの体内にある乳酸菌やビフィズス菌などの良い菌(有益菌叢)を強くする働き ・病原菌や腐敗菌などの悪い菌(有害菌)を排除する働き ・菌の増殖を抑制あるいは阻害する「抗菌作用」の働き など、腸内環境を安定させてくれる作用がたくさんあります。 ■納豆菌の凄さ 「酒蔵や味噌蔵、醤油蔵、パン工房など、麹菌や酵母など別の菌を扱う現場では、納豆を食べてはいけない決まりがある」というのを耳にしたことはありませんか。最近では現場の衛生管理や納豆菌の製造方法などにより、その決まりは縮小されつつありますが、納豆菌にはそれほどの偉大な繁殖力があり、過酷な環境にも耐え抜くと言われています。 その凄さは「世界最強の有用菌」とも言われ ・天日干しをしても生き残る ・宇宙や真空状態など空気のないところでも生き残る ・0℃以下の氷のなかでも100℃に煮沸しても耐え続ける ・pHが低い酸性条件(胃酸など)にも耐えることができる ・放射線、紫外線に強い ・栄養源無しで100年生き延びる などと言われ、納豆菌は想像をはるかに超える凄さがあります。 ■すべての納豆菌が無敵なわけではない 実は納豆菌でも胃酸に弱く、腸まで届かない場合も多くあります。納豆菌は「胞子(ほうし)または芽胞(がほう)」と呼ばれるバリアがあることでその効能の本領が発揮します。芽胞は、納豆菌が生育に適さない環境に置かれることで発生します。 芽胞状態に近づけるには ・酸素や水や栄養分が無くなった状態 ・製造から時間が経ち発酵が進み、(栄養細胞から)芽胞に変化した状態 そのような時に「胞子(芽胞)」という極めて強い外殻を作り、休眠状態に入ることで無敵の状態になります。 最近は、芽胞状態になった「納豆のフリーズドライ(乾燥粉末)」が販売されていたり、カプセルに入ったサプリメントも販売されています。納豆が苦手だけれど納豆菌を摂取したい方はこういったものを活用してみるのも良いでしょう。 ■死滅した菌にも腸に良い効果があります 芽胞状態でない納豆を食べたら意味がないのか?そんなことはありません。 納豆菌を含む身体に良いとされている菌は胃酸に弱く、死滅してしまう場合も多くありますが、死滅した菌は、腸内の善玉菌の良い餌になることがわかっています。腸にとって良い菌(乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などの有益菌叢)は胃酸で死滅してしまったとしても、結果的に腸内環境を整えてくれる働きが大いにあるのです。 ■腸が整う、簡単&美味しい「ちょい足しレシピ」 最後に、数多くある「納豆にちょい足し」の中でも、筆者おすすめ「腸が整う簡単で美味しい」ちょい足しレシピのご紹介です。 【材料】 納豆…1パック エキストラバージンオリーブオイル…こさじ1 塩…少々 胡椒…少々 醤油(納豆のたれ)…お好み トッピング アボカド…1/4カット 上記の材料を混ぜて、ご飯にかけていただきます。 食材から洋風をイメージされるかもしれませんが、納豆の風味が全面に出るためいつもの納豆ご飯として美味しくお召し上がりいただけます。また、オイルを多めにして、パスタやお素麺に和えても美味です。 オリーブオイルに含まれているオレイン酸には腸を活発にする作用があり、整腸作用を促す働きがあります。オリーブオイルの油分は腸の潤滑油にもなります。便秘がちな方は特に良質のオイルを摂ることでスムーズな排便が期待できるでしょう。また、「森のバター」とも呼ばれるアボカドもオリーブオイル同様良質の油分が多く含まれ、悪玉コレステロールを抑える働きがあります。卵かけごはんのようなとてもまろやかな風味なります。 【POINTO】美味しいオリーブオイルを使用すること オリーブオイルは火を通して使用する「ピュアオイル」ではなく、「エキストラバージンオリーブオイル」を使用します。オイル選びに悩んだ場合は、オーガニックのものやコールドプレスのオイルは比較的風味も良くおすすめです。健康のためにそのまま飲んだり、パンやサラダ、パスタなどに直接かけられるような美味なオイルをぜひ探してみてください。 納豆菌の力で腸を元気に。普段の食事にぜひ納豆をプラスしてみてください。 ライター/半田葉子