インバウンド向け新名物に「スノーラーメン」山形・米沢で発売 肉まんとチーズで雪景色表現

山形県の米沢市民有志が今冬、名物のラーメンと雪の多い気候を生かして観光客を呼び込もうと、新たなブランド「スノーラーメン」をPRしている。オリジナルメニューの発売に加えてインバウンド(訪日客)向けツアーも始まり、動きが活発化している。

 「スノーラーメン」(1000円)は市内の「道の駅米沢」で9日に発売された。鶏白湯(パイタン)とクリームスープを合わせたラーメンに、かまくらに見立てた肉まんが浮かぶ。さらに粉チーズで雪景色が表現されており、3月末ごろまで期間限定で提供する。

 市民有志による「スノーラーメン協会」が、駅内のラーメンコーナー毘沙門とタッグを組んだ。毘沙門の鈴木真也店長(40)は「濃厚な味に仕上がった。斬新で新感覚のラーメンだ」と来店を呼びかける。

 協会は11、12日、ラーメンを呼び水にした訪日客向けのモニターツアーも初めて実施した。米国人ら3人は甲冑(かっちゅう)や着物姿で観光名所を散策し、開催中だった「上杉雪灯篭(ゆきどうろう)まつり」会場で、大豆ミートを使った担々麺を味わった。

 協会は2022年、まちづくりに取り組む市民有志が、訪日客らの誘客につなげようと設立した。「雪景色の中でラーメンを食べる」とのテーマを軸にレシピコンテストを開催。23年の雪灯篭まつりでは実験的に販売し、一般提供に向けた準備を重ねていた。

 大豆ミートや米粉麺を採り入れ、ビーガン(完全菜食主義者)やムスリムに提供できる多様なメニューの試作も進む。来冬からはツアーの本格実施を含め、さらなる展開を見込む。

 横山昭子会長(56)は「雪と組み合わせて話題性を高め、米沢のラーメン文化をもっと広く伝えたい。多くの訪日客に食べてもらえるよう発信に努めたい」と話す。

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