Q. 脂肪を最も燃やしてくれる食べ物が知りたいです
Q. 「やせたいのですが、運動は苦手です。よく脂肪燃焼効果がある食材やレシピの情報を見かけますが、一番脂肪を燃やしてくれる食べ物は何でしょうか? 積極的に摂って、ダイエットに活用したいです」
A. 実は脂肪を燃やす食べ物はありません。「筋肉をつける食材」がオススメです
残念ながら、栄養学において「脂肪燃焼効果がある食材」というものはありません。一般的に紹介されている「脂肪燃焼する食事」や「脂肪燃焼スープ」などは、実際には脂肪燃焼して健康的にやせられるものはなく、低カロリーでやつれた見た目になってしまいそうなものも見受けられます。
健康的にダイエットを成功させたいなら、「脂肪を燃焼させてくれる筋肉を発達させる栄養素」を多く含む食材を摂ることです。少し遠回りに思われるかもしれませんが、長期的に見れば、より確実に、脂肪燃焼効果を得ることができます。
具体的には、タンパク質とビタミンDが豊富な食材を選ぶのがよいでしょう。スポーツ選手も、筋肉をつけるためにタンパク質(特にアミノ酸の「ロイシン」)と、ビタミンDを意識的に摂取しています。さらに健康的に運動することを考えると、骨を丈夫にするカルシウム(加えてビタミンD)も有効です。
・タンパク質(ロイシン)を多く含む食品……脂身の少ない肉、魚、卵、湯葉など
・ビタミンDを多く含む食品……いわし(みりん干し、丸干)、しらす(半乾燥品)、さば(開き干し)、乾燥しいたけ(天日干し)など。日光浴をして乾燥させた食品に豊富
ただし、質問者の方は運動があまり好きではないとのことですが、タンパク質やビタミンDさえとっていれば勝手に筋肉が発達するわけではありません。他の食材も含めてバランスの良い食事を取りながら、良い筋肉を作っていくためのこまめな運動が必要です。
無理のないところから、少しずつ筋肉にいい栄養素と運動習慣を取り入れていってください。
平井 千里プロフィール
メタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。
(文:平井 千里(管理栄養士))