東北電力女川原発2号機が立地する宮城県女川町と宮城県石巻市は27日、原発敷地内で保管される使用済み核燃料を対象に、独自課税となる使用済み核燃料税の導入を検討すると表明した。東北の市町村では、青森県むつ市が導入している。
敷地外への早期搬出を促す
東北電が同日、使用済み核燃料を保管する乾式貯蔵施設を設置するための事前協議を申し入れた際、両市町長が明らかにした。9月ごろに予定される2号機の再稼働で使用済み核燃料の貯蔵量が増加し、敷地内での固定化が懸念されることから、課税により敷地外への早期搬出を促す狙いがある。
2市町とも具体的な課税標準や税率、時期などは未定。今後、東北電や総務省、県と具体的な協議を始める。
須田善明町長は町役場であった申し入れ後の取材に「女川町は立地地域であり最終処分場ではない。早期の敷地外搬出を望む」と指摘。斎藤正美市長も市役所で「乾式貯蔵施設は再処理施設に搬出するまでの一時的な施設だが、常設化の懸念がある」と話した。
2市町に申し入れをした女川原発の阿部正信所長は「具体的な話があれば(2市町と)相談したい」と述べるにとどめた。
使用済み核燃料税を巡っては2022年、むつ市内の中間貯蔵施設に関し、当時の寺田稔総務相が市独自の「核燃料税」導入に同意した。市は事業者のリサイクル燃料貯蔵(RFS、むつ市)に対し、燃料の貯蔵量に応じて課税する。