仙台市青葉区大町にある子どもと一緒に過ごせるコワーキングスペース「親子プラス仙台」が注目を集めている。利用者がスタッフとともに子どもを見守りながら仕事ができるのが特徴。子育て世代が安心して働ける環境を提供しようと、アプリ開発や企業主導型保育園運営などを手がける「MUSASI(ムサシ)D&T」(仙台市)が昨年10月に本格オープンさせた。
保育スタッフ勤務、ベッドや授乳スペースも
同社によると、子どもと一緒に利用できるコワーキングスペースは東北では珍しいという。
利用者はパソコンなど作業に必要な物を自由に持ち込むことができる。約50平方メートルの室内には15席分の作業スペースのほか、子どもの遊び場、ベビーベッドやおむつ交換台、授乳スペースなどの設備もある。保育士や看護師の資格を持った子育てサポーター3人が交代で勤務し、育児の相談にも応じる。
IT関連企業勤務を経て起業した佐藤里麻社長(54)が、子育てと仕事の両立に悩んだ体験をもとにオープンさせた。保育士の資格を持つ佐藤社長は「自分のペースで育児と仕事の両方と向き合えるのが理想。毎日頑張っているお母さんたちに、子育てを楽しいと思ってもらえるような場所にしたい」と話す。
仙台市の草木染造形作家の梅谷夏帆さん(28)は多い時期で週2回程度、1歳の長男と一緒に利用している。「自宅以外に子どもを連れて行ける作業場があり、救いになった。同年代の子と過ごす姿も楽しそうでうれしくなる」と笑顔を見せた。
現在は0~3歳児を連れた利用者が多いが、4歳以上や小学生の受け入れの相談にも応じる。営業は平日の午前9時半~午後4時。料金は1日利用(午前10時~午後3時)が1500円、定期利用は月額1万円から。専用サイトか電話で事前予約が必要。連絡先は親子プラス仙台022(281)9018。