女川原発の乾式貯蔵施設、28年に運用開始 使用済み燃料を収納 東北電が事前協議申し入れ

東北電力は27日、女川原発(宮城県女川町、石巻市)の敷地内に建設する2号機の使用済み核燃料乾式貯蔵施設について、2028年に運用を開始すると発表した。県と女川町、石巻市に同日、安全協定に基づく事前協議を申し入れ、施設概要を説明した。

 東北電によると、設置費用は144億円。乾式貯蔵建屋2棟を新設する予定で、1棟目は敷地内の海抜38メートル地点で26年5月に着工し、28年3月に運用を始める。使用済み燃料は最大552体を収納できる。

 2棟目は30年8月に工事着手し、32年6月から運用する。1棟目に隣接する海抜36メートル地点に建て、使用済み燃料を最大828体収納する。2棟で女川2号機の使用済み燃料を少なくとも10年分は貯蔵できる。

 女川2号機は9月ごろに再稼働する予定。使用済み燃料を原子炉建屋内の燃料プールで貯蔵しているが、空き容量は417体分で、計画通り再稼働すると、4年程度で貯蔵容量の上限に達する。乾式貯蔵施設は18年以上プールで冷却した燃料を専用の金属製容器に69体ずつ収納し、空気の自然対流で冷却する。

 27日は東北電幹部が県庁や2市町を訪れ、事前協議を申し入れた。県の千葉章復興・危機管理部長は「国の審査状況を踏まえ、立地市町と相談して対応する。燃料を原発から搬出するまでの一時的な貯蔵施設と認識している」と述べた。

 斎藤正美石巻市長は「地域住民への説明責任を果たすことを強く求める」と話した。須田善明女川町長は「(乾式貯蔵施設は)他の立地自治体で先行事例があり、安定的な保管につながる。施設の安全性について住民に納得してもらえる説明をしてほしい」と注文した。

 東北電は28日、原子力規制委員会に女川2号機の原子炉設置変更許可を申請する予定。

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