給与デジタル払い、開始見通せず 解禁1年弱、長引く業者審査

企業が給与をスマートフォンの決済アプリ口座に入金する「給与のデジタル払い」が解禁され、1年近くが経過した。 【ひと目でわかる】経常収支全体とデジタル関連収支の推移  送金サービスを担う資金移動業者は厚生労働省に取り扱いを申請したが、利用者保護対策などで審査が長期化しており、利用の開始時期は見通せない。  給与は法律上現金払いが原則で、一般的になっている銀行口座への振り込みは従業員の同意があれば可能な仕組みだ。政府はキャッシュレス化を推進しており、口座残高100万円を上限に、スマホアプリ口座でも給与を受け取れるよう制度を改正。2023年4月、取り扱いを希望する資金移動業者の申請受け付けが始まった。  関係者によると、24年1月までに申請したのは、楽天EdyとリクルートMUFGビジネス、auペイメント、PayPay(ペイペイ)の計4社。当初審査期間は数カ月との見方もあった。  業者は、経営破綻した場合に残高全額を保証するなど利用者保護の対応策を求められる。少なくとも毎月1回、ATMを使って無料で引き出せるようにすることも条件だ。利用者は自らアプリ口座へ入金する手間を省けるメリットがあるが、厚労省は慎重に審査を進めている。 

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