津波で失われた古里を語り継ぐ場に 仙台に「蒲生なかの郷愁館」開設

仙台市宮城野区の杜の都バイオマス発電所内に、東日本大震災前の地域の様子を伝える展示室「蒲生なかの郷愁館」が3日、開館した。記念式典があり、元住民ら約60人が参加した。

 地元の蒲生北部地区は津波で被災し、集団移転後に工業用地として再編された。式典では館長で元住民でつくる「なかの伝承の丘保存会」の下山正夫会長が「古里を語り継ぎ、防災を意識する場にしたい」と述べた。郡和子市長らもあいさつした。

 展示室は発電事業者の杜の都バイオマスエナジーが管理運営し、広さ約80平方メートル。貞山運河の開発とともに発展した地域の歴史や蒲生干潟の生態系をパネルや立体地図などで展示する。

 2016年3月に閉校した中野小のコーナーも設けられた。最後に卒業した東北学院大2年大久保柊弥(とうや)さん(20)は「自然が豊かで住民同士が家族のような地域だった」と懐かしんだ。

 入場無料。午前10時~午後4時。休館日は月曜(祝日の場合は翌日)と年末年始。連絡先はinfo@mmb-energy.jp

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