宮城県美里町に県内最大級のトマト栽培施設「デ・リーフデ美里」が完成し、3日に現地で式典があった。高価格が期待できる「夏越し栽培」で安定供給を目指し、年700トンの生産量を見込む。
石巻市でトマトやパプリカを生産する「デ・リーフデ」グループの第3農場となり、栽培面積は約2ヘクタール。施設園芸の先進国オランダ式の設備で温度や日照量、肥料を自動管理し、収穫量は国内最多級の10アール当たり約50トンに上る。パート26人の大半は地元で採用する。
8日に本格稼働し、5月の大型連休明けに出荷を始める。関東圏では暑さに弱いトマトの生産量が9、10月に減少するため、比較的冷涼な気候の県内は産地として有望視されている。
施設はバラ栽培用の鉄骨ハウスを改装。建設費は約4億円で、新築した場合の3分の1程度に抑えた。老朽化した大規模園芸ハウスの再利用は県内ではほとんど例がないという。
式典には関係者約30人が参加し、紅林秀幸社長は「作物への愛、食べる人への愛を考え、社員一丸となってしっかり頑張っていきたい」とあいさつ。町北部のレタス生産プラントに続く大規模園芸施設の誕生を受け、相沢清一町長は「未来の農業のお手本として、農業振興にまい進するスタートとしたい」と話した。