駅構内などで体当たりしてくる男性は「ぶつかりおじさん」と呼ばれている。その情報を募った弁護士ドットコムのLINEには「ぶつかりおばさんもいる」というメッセージも届いた。
神奈川県在住の男性は、電車内で「ぶつかりおばさん」から思わぬ被害を受けたという。ネット上には「男性女性問わずぶつかってくることがある」という指摘も少なくないようだ。どのような実態があるのか――。
●リュックぶつけて「ドアまでの道」を切り開く姿
神奈川県在住の内田拓郎さん(仮名・会社員・40代)は「混雑した電車の中で立っていたら突然ぶつかられました。そのまま降りていったので何も言えませんでした」と振り返る。
「新型コロナウイルスが流行する直前だったので、およそ4年前のことです。仕事帰りに使った小田急線が、ある程度混んでいたので、僕は座席の前に立っていました」
電車が止まると「ドン!」という衝撃が、激しい痛みとともに左半身に広がった。すぐに人を押しのけて降車しようとする女性がぶつかったことがわかった。
その女性は腰を左右にひねりながら、前方に抱えていたリュックを乗客にぶつけていった。
内田さんによると、野球のバットやテニスのラケットをスイングするように、反対側に「溜め」を作ってから勢いよくぶつけているのが見えたという。
「そうやって僕のほかにも、2人くらいにリュックをぶつけて道を作っていて、車内の人たちが呆然と見送っていました。声を上げることもなく、淡々と邪魔な人を処理していくようでした」
●帰宅後に「アザができていた」
一言、「降ります」「どいてください」と言ってくれたら避けたのに…。
内田さんが、自宅に帰って、身体を確認すると、左の肩周辺にアザができていた。
これまで弁護士ドットコムニュースではLINEの体験を元に「ぶつかりおじさん」被害体験を記事で紹介してきた。
それらの記事の反響の中には、「私もぶつかりおじさんにやられた」という声もあれば、内田さんのように「ぶつかりおばさんだっている」という声もあった。
「ぶつかりおばさん」から痛い目に遭った内田さんだけに、「おじさん」の被害にあった女性たちにも「理不尽なことをされたら本当に嫌ですよね」と心を配る。
「それにしても、ぶつかってくる人はストレスを抱えているんでしょうか」