名古屋市の小学6年の男子児童が、同級生に記念メダルなどを「価値が上がる」などと持ち掛けられ、約93万円をだまし取られたとして、児童の父親が警察に被害を相談したことが分かりました。
父親によると、当時5年生だった男子児童はおととし11月から去年2月の間に、複数の同級生から記念メダルや外貨の買い取り名目で8回にわたり、合わせて約93万円を支払ったということです。
実際の価値よりも高い額を支払ったとして、2月に警察に被害を相談したということです。その中には、大手貴金属店に作らせた純金製と紹介されたコインがあったといいます。
(被害を相談した児童の父親)
「いま金額1グラム9000円だと、これ持ってみるかと(息子に)握らせてみるんですね。持った息子はすごい金額なんだろうなと勘違いをしまして」
児童はそのコインを36万円で購入。しかしその後、名古屋港水族館の記念メダルだと判明しました。さらに…。
(被害を相談した児童の父親)
「カナダドルの10ドル札があるんですが、プラスチックでできた紙幣だから価値があるとそそのかされてしまい、25万円と言われて思わず買ってしまったということがあります」
他にも、オリンピックの記念硬貨や昔のお札などを買わされたということです。
小学生同士の大金のやりとり。きっかけは何だったのでしょうか?
「うまい話があると思ってしまった」
男子児童はお年玉などで貯めたタンス貯金があり、学校で「僕は100万円持っている。かっこいいだろう」と話していて、それが金銭トラブルに繋がったとみられています。
今回のトラブルについて、男子児童は父親に「腹が立つ。信じていたのに。うまい話があると思ってしまった」と話しているということです。
(被害を相談した児童の父親)
「早い段階からお金の教育をしなければいけなかった。お父さんが、おまえに対して怠っていたことは悪かったと、むしろ私が謝りました」
また、今回のトラブルを踏まえ、次のようにも話します。
(被害を相談した児童の父親)
「子どもとの時間をたくさん取って、なるべくなんでも話し合えるご家庭に、すべてがなると幸せなのかなと思います」
警察はトラブルの相談を受け、現在捜査しています。
一方、男子児童が通う学校の校長は、学校に不必要なものを持ってきた場合はその都度指導しているとした上で「問題が発覚した時期が中学受験シーズンであったこともあり、根拠のない話で生徒を刺激することができないという判断から、事実関係の確認ができなかった。警察に相談されたということなので、学校の手は離れている。警察から問い合わせがあれば真摯に対応する」と話しています。