仙台・上飯田の6次化施設「ハーベストビレッジ」開業めど立たず

整備費かさみ業者間の協議難航

 仙台市若林区で農業の6次産業化を目指す複合施設「仙台ハーベストビレッジ」の全面開業のめどが立っていないことが1日、分かった。施設は完成し、2月までのオープンを予定したものの、資材費高騰の影響で整備費がかさみ、事業者間の協議が長引いているためとみられる。

 市に提出された開発事業計画書によると、太白区の不動産開発業「TASCI(たすき)」が計画。若林区上飯田の田畑約4万7600平方メートルの敷地に、平屋の建物2棟を整備する。延べ床面積は計約6500平方メートル。

 主なテナントはヨークベニマル、生活雑貨店「無印良品」で、いずれも産直コーナーを備える。牛タン焼き店を展開する利久(岩沼市)はレストランとパン店を出店する。イチゴ狩りが楽しめるハウス農園なども併設する。

 仙台市農政企画課によると、テナントは1月26日~2月9日に開店予定だった。パン店は3月中旬に先行して開業する見込みだが、他の店舗は決まっていない。開業の遅れで、生産者が農産物を納入できないほか、勤務する予定の従業員の雇用にも影響が出ている。

 1日の市議会2月定例会の予算等審査特別委員会で、対応を問われた高橋新悦副市長は「一日も早い開業に向け、事業者に働きかける」と強調した。

 複合施設の整備地は市街化調整区域だったが、土地利用規制を緩和できる地域未来投資促進法に基づき、計画について県の承認を得ている。東日本大震災の復興特区法に基づく市の「農と食のフロンティア推進特区」指定も受ける。

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