福島・いわきで能登地震踏まえ、重機で救援ルート確保の訓練初実施

東日本大震災から13年となるのを前に、いわき市の小名浜消防署は10日、重機を使った道路啓開訓練を市内で初めて実施した。1月の能登半島地震で道路の寸断による救助や復旧活動の遅れが浮き彫りとなり、対応力を強化するのが狙い。

 署員と消防団員25人が参加した。昨年9月の台風13号に伴う記録的大雨で土砂崩れが起きた山林で、チェーンソーで倒木を切断したり重機で土を取り除いたりしながら作業を確認した。

 重機は震災で十分に救出活動できなかった経験を踏まえて総務省が貸与。福島県内で唯一配備されている小名浜消防署は能登半島地震で出動していないが、現地に向かった緊急消防援助隊では、重機を使えなかったケースもあったという。

 震災で自宅が全壊し、人の役に立つ仕事がしたいと消防士に転職した小名浜消防署の新妻拓弥さん(32)は「道路が通れるようになれば住民も安全な場所に避難でき、災害関連死を減らせる。倒壊家屋が道路をふさぐなど、いろいろ想定して訓練したい」と語った。

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