火力発電燃料にアンモニア=世界初の大規模試験―愛知・碧南発電所

 東京電力グループと中部電力が折半出資する発電会社JERA(東京)とIHIは13日、碧南火力発電所(愛知県碧南市)で、発電時の二酸化炭素(CO2)削減に向け、燃料の石炭にアンモニアを混ぜて燃やす実証試験の設備を報道陣に公開した。商用の火力発電所での大規模な試験は世界初という。実証試験は26日から6月19日までの予定。結果をもとに2020年代後半にも商用運転を開始する。

燃料の石炭にアンモニアを混ぜて燃やす実証試験を行う碧南火力発電所4号機の建屋=13日午後、愛知県碧南市

燃料の石炭にアンモニアを混ぜて燃やす実証試験を行う碧南火力発電所4号機の建屋=13日午後、愛知県碧南市© 時事通信 提供

 火力発電は、石炭などを燃やした熱で蒸気を発生させ、タービンを回して発電する。アンモニアは燃焼時にCO2を排出しないため、次世代エネルギーとして期待されている。今回の実証試験では燃料の20%(熱量比)を石炭からアンモニアに置き換える。

燃料の石炭にアンモニアを混ぜて燃やす実証試験を行う碧南火力発電所4号機で説明する担当者=13日午後、愛知県碧南市

燃料の石炭にアンモニアを混ぜて燃やす実証試験を行う碧南火力発電所4号機で説明する担当者=13日午後、愛知県碧南市© 時事通信 提供

 報道公開されたのはアンモニアタンクや実証用バーナーなど。当初の計画から約1年前倒しした。JERAは50年までに国内のすべての火力発電所で燃料をアンモニアや水素に置き換え、CO2を排出しない火力発電を目指す。

 谷川勝哉碧南火力発電所長は「ここで技術を確立させ、国内外の火力発電の脱炭素化に貢献したい」と話した。 

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