新抗酸化物質「超硫黄分子」の特性解明へ 東北大と島津製作所、4月に共創研究所設置

 東北大と島津製作所(京都市)は13日、新しい抗酸化物質として注目される「超硫黄分子」の共同研究に取り組む「超硫黄生命科学共創研究所」を学内に設置すると発表した。生体の老化メカニズムに関連する超硫黄分子の特性を調べ、健康増進に役立つ機能性食品の開発などにつなげる。

 東北大大学院医学系研究科の赤池孝章教授(環境医学)の研究グループが、島津製作所の分析計測事業部と連携。多種類の超硫黄分子を一斉に分析する手法を研究し、機能性食品の開発、さまざまな病気の診断や治療法の確立を目指す。

 研究所は4月1日付で設置し、2027年3月まで3年間、共同研究する。

 仙台市青葉区の同大医学部で記者会見した赤池教授は「超硫黄分子は非常に強力な抗酸化作用がある。今までなかった抗酸化サプリメントの開発が可能になる」と強調。島津製作所の山本靖則社長も「超硫黄分子研究の第一人者の赤池教授と解析技術を発展させ、健康長寿社会に貢献する」と述べた。

 超硫黄分子は血液や臓器に存在するアミノ酸などの有機化合物に硫黄が結合した物質の総称。タマネギやブロッコリーなどに多く含まれる。疲労や老化、病気の一因とされる活性酸素の働きを抑えると考えられている。

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