アーバンネット仙台中央ビルが開業 都心再構築第1号、低層部の名称は「YUINOS」

 NTT都市開発(東京)が仙台市青葉区中央に建設した「アーバンネット仙台中央ビル」が14日に開業し、現地で記念式典があった。市都心再構築プロジェクトを活用した再開発ビルの第1号。同社は4月に本格稼働する次世代放射光施設「ナノテラス」と連携した分析室などが入る低層部(1~4階)の名称を「YUINOS(ユイノス)」と発表した。(3面に関連記事)

 ビルは地上19階、地下1階の免震構造で昨年11月に完成した。延べ床面積4万2132平方メートルは、JR仙台駅西側のオフィスビルで最大級。16階より上の高層階オフィスからは360度ビューで市内を望める。同社によると、貸し床面積の7割が既に契約済み。

 「ユイノス」は「結」と「巣」から想起し、多様な人や思いの結節点となるようにとの意味を込めた。2階にコワーキングスペース、3階にシェアオフィス、4階に貸し会議室などが入る。1階のイベント空間「イノベーションスペース」も活用し、スタートアップ支援や地域のにぎわい創出などを後押しする。

 式典にはNTT都市開発の辻上広志社長、郡和子仙台市長、村井嘉浩宮城県知事らが出席した。辻上社長は「地域に開かれた共創イノベーション創出の場を目指したい」と語った。

 市は同日、低層部にスタートアップ支援拠点「仙台スタートアップスタジオ」を開設した。郡市長は「事業の立ち上げや成長の過程で生じる課題へ専門的なアドバイスを提供し、支援者との交流促進を図る拠点にしていく」と話した。

仙台市のスタートアップ支援拠点が始動 起業相談を一元化

 仙台市青葉区中央のアーバンネット仙台中央ビルの開業に合わせて14日、ビルに入る市の「仙台スタートアップスタジオ」も始動した。新興起業の支援拠点として、起業や資金調達などの相談にワンストップで対応する。市は「『スタートアップするなら仙台、東北で』を合言葉にチャレンジを後押する」と意気込む。

 ビル2階のコワーキングスペースに相談窓口を設けた。スペースを運営するATOMica(アトミカ、宮崎市)と仙台市の担当者が対応し、必要に応じて専門機関につなぐ。18日に本格稼働する。

 大学発スタートアップに向けた集中支援プログラムや、市内で起業を目指す外国人の支援も手がける。首都圏の投資家らをメンター(指南役)とする体制も用意した。

 14日は記念イベントがあり、スタートアップ支援に取り組む他都市の関係者を迎え、地域経済の活性化に向けて意見を交わした。仙台市経済局の杉田剛次長は「将来を担う若者が世界に羽ばたいていける環境をつくる」と語った。

 市は仙台経済同友会と連携し、東北・仙台の経営者による「アドバイザリーボード」を設けている。4月9日は、同ビルでメンバーによるトークセッションを開催。アイリスオーヤマの大山健太郎会長が基調講演する。連絡先は市スタートアップ支援課022(214)8768。

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