稲垣潤一さんもかつて所属 ライブバー「スコッチバンク仙台」、国分町の同じ場所に19日復活オープン

昭和、平成の時代に人気を集めた仙台市青葉区国分町2丁目のライブバー「スコッチバンク仙台」が19日、同じ場所に復活オープンする。新型コロナウイルスの流行で閉店を余儀なくされたが、経営する市原克俊さん(52)=東京都=がクラウドファンディングで資金を募るなどして約4年ぶりの再開にこぎ着けた。

再開へクラウドファンディング 目標の7倍の額が寄せられる

 スコッチバンク仙台は1975年の開業。市原さんの父忠さんがコンセプトや内装をプロデュースした。きらびやかな店内は約250平方メートルと広々。外国人らによる生演奏を聴きながらグラスを傾ける大人の社交場としてにぎわった。

 仙台市出身のミュージシャン稲垣潤一さん(70)が、店(箱)の専属で生演奏するバンド「ハコバン」として活動し、テレビ局にスカウトされたというエピソードが残る。ウイスキーをボトルキープすると真ちゅう製の鍵が手渡され、ボトルの証明になるスタイルも話題を呼んだ。

 コロナ禍で2020年6月に店を閉めた。ボトルを客に返そうとしたが、多くの客がコロナ後の再開を望んで受け取りを保留したという。市原さんは再起を心に決め、青葉区のアパートを借りて約5000本を保管することにした。

 コロナが落ち着き始めた23年4月ごろに再始動。クラウドファンディングで支援を呼びかけたところ、目標額(30万円)の7倍近い約200万円が寄せられた。

 25年ほど前に店でアルバイトしていた青葉区の男性(52)もサポートに加わり、内装の改修や飲み物メニューの作成などを手伝う。「20代の頃の思い出の場所。何か協力したいと思い、市原さんに連絡した」と話す。

 市原さんには連日、常連客から激励と予約の連絡が相次いでいるという。「コロナで落ち込んだ国分町のにぎわいを取り戻す役割を担えるような店にしたい。若い世代に大人のお酒の楽しみ方を知ってほしい」と力を込める。

 演奏曲は70~90年代の洋楽のR&B、ロック、洋画のサウンドトラックなどで往時と変わらない。営業時間は午後6時~翌日午前2時(金土は翌日午前3時まで)。日祝日定休。連絡先は022(302)5951。

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