一目千本桜「私たちが守る」 宮城・大河原 柴田農林高から大河原産業高へ 100年続く活動引き継ぎ

 学校統合に伴い2025年3月に閉校する大河原町の柴田農林高と、本年度新設された大河原産業高の生徒が18日、同町の白石川堤防で、町のシンボル「一目千本桜」の保全活動に取り組んだ。約100年続く伝統行事が後継校にバトンタッチされた。

 学校最後の手入れとなる柴田農林高は2年生100人、大河原産業高は1年生225人のいずれも全学科の生徒が参加した。

 強風の中、生徒は両岸の桜約800本で、枝先が密集してほうき状になるテングス病の枝や枯れ枝を判別。高枝用のこぎりで切り落としたり、町が提供した樹木専用の肥料約30トンなどを木周辺にまいたりした。

 一目千本桜は1923年と27年の植樹。柴田農林高OBで町の樹木医尾形政幸さん(67)によると、少なくとも27年には生徒が植栽や管理に協力している記録があり、保全活動は長年、受け継がれてきた。

 農林高森林環境科2年の斎藤大地さん(16)は「地域の宝を自分たちの手で守ってきた柴農の伝統は誇り」と話し、産業高農業科学科1年の遠藤みのりさん(16)は「先輩の伝統を絶やさず、毎春、きれいな桜を咲かせる」と抱負を語った。

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