<青森>上昇宅地が56地点に増加
住宅地の平均変動率は0.1%で25年ぶりに上昇に転じた。上昇地点は前年から29増えて56地点。過疎化が進む地域の下落は続いたものの、都市部の大型商業施設周辺などで上昇幅が大きかった。商業地は32年連続の下落でマイナス0.1%。下落率は縮小しており、再開発が進む青森駅前などで今後も上昇が見込まれる。工業地は八戸市で好調を維持し、変動率が1.1%に拡大した。
<岩手>全用途が27年ぶりプラス
全用途の平均変動率が0.4%と、27年ぶりにプラスに転じた。住宅地は0.8%で2年連続の上昇。利便性が高い盛岡市は2.7%上がり、周辺市町に波及した。土地需要が低迷している山田町をはじめ沿岸部や県北などは下落した。商業地はマイナス0.5%と31年連続で下落したが、下落幅は縮小。盛岡市はJR盛岡駅前でプラス6.0%となった。工業地は1.9%と7年連続で上昇した。
<宮城>仙台と周辺市町村が好調
全用途の平均変動率はプラス4.7%で、12年連続で上昇した。仙台市が7.3%、周辺9市町村が5.5%と好調だったが、残る23市町はマイナス0.6%と9年連続で下落した。住宅地はプラス4.7%と12年連続で上がった。上昇率は人口が増加している富谷市が最も高い9.4%。最も下落したのは川崎町でマイナス3.9%。東日本大震災の被災市町でも下落が加速した。
<秋田>秋田市が県全域押し上げ
住宅地の平均変動率はプラス0.2%で25年ぶりに上昇に転じた。秋田市はプラス1.5%と県全域を押し上げた一方、昨年7月の豪雨被害を受けた南通、広面などのエリアで上昇が止まった。商業地もプラス0.4%と32年ぶりの上昇。ホテルやマンション建設の進む秋田市が上昇29地点のうち22地点を占めた。県内経済の好調を背景に由利本荘、横手、大仙各市も平均変動率が上がった。
<山形>商業地の下落に歯止め
全用途の変動率は0.2%と2年連続で上昇した。住宅地は0.3%の上昇。山形市で1.1%伸びたが、上昇率は前年(2.1%)から大幅に下落した。建築費高騰の影響により、地価の高い地域の需要が頭打ちになっている。その分、近郊の天童、東根両市などは堅調。商業地は変動率0.0%で、31年ぶりに下落傾向に歯止めがかかった。隣接する住宅地の上昇が主な要因となった。
<福島>富岡町は震災前の半分以下
住宅地の平均変動率はプラス0.7%で3年連続上昇。商業地もプラス1.1%と2年連続で上がった。昨年9月の台風13号で浸水被害を受けたいわき市内郷地区は8.3%下がり、全国の全用途で下落率が1位となった。調査を再開した富岡町夜の森地区は福島第1原発事故前の半分以下に下落。事故の影響が続く浜通りで唯一、福島国際研究教育機構が設立された浪江町が上昇した。
〔注〕▲はマイナス。価格は1平方メートル当たり。-は新たな調査地点