ビッグモーター不正、車体整備の透明化へ国交省が指針…作業前後の撮影など規定

中古車販売大手ビッグモーターによる保険金不正請求問題で、国土交通省が、自動車整備を巡る不正の再発防止に向け、新たに策定したガイドライン(指針)の全容が判明した。整備工場に対し、作業前後の整備箇所の撮影や作業内容の記録を求めることが柱。透明性を確保し、国民の信頼回復を目指す。不正の指示など同社本社側の10項目の問題点を指摘した監査結果と併せ、近く公表する。 【図】一目でわかる…ビッグモーターが用いた主な不正の手口

 国交省は昨年7月以降、同社本社と130の整備工場に対し、道路運送車両法に基づく監査や聴取を実施。関係者によると、車体の損傷を捏造(ねつぞう)した写真の撮影を本社板金部門が指示したり、降格人事を頻発したりするなど、本社側で10項目の問題点が確認された。

 工場側でも、大半で不正車検や整備料金の過剰請求といった違反があった。整備事業の停止など、行政処分を受けた工場は先月までに110を超えた。

 指針では、板金・塗装などの整備作業について、開始前、途中、完了後の各段階で、修理・交換箇所を車両を特定できる形で撮影するよう規定。作業内容の詳細も撮影画像とともに記録し、料金明細を記した見積書、請求書と併せてデータで保存させる。さらに、これらの情報を顧客に示してサービス内容を説明し、書面など記録に残る形で了承を得るよう求めた。義務化は見送ったが、整備工場に周知し、国による指導・監督の際に活用する。

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