山形大農学部(鶴岡市)は29日、ラーメン用の山形県産オリジナル小麦の品種開発に取り組んでいると発表した。優良品種の選抜を進め、5~10年以内の品種登録と栽培普及が目標。山形市が消費額で2年連続日本一という「ラーメン県」ならではの食材としてブランド化を目指す。
オリジナル小麦は2020年度から国の機関と共同研究を続けている。候補の中から雪に強いわせ系統の選抜を進め、最終的にはタンパク質が多く、粘りがある強力粉タイプの品種を見つけたいという。ラーメンに向く喉越しやしなやかさといった加工特性を備え、山形県の多雪環境に適した品種の育成を図る。
山形大によると、東北の小麦生産量は国内の2%にとどまり、中でも山形県内は作付面積、収穫量とも最も少ない。笹沼恒男准教授は「県内のラーメンも小麦は大部分が外国産。ラーメンに合う品種を地産地消できれば付加価値が高まる。取り組みはまだ3~4合目だ」と期待を込める。