創業81年で初の男性バスガイド 奈良交通で18歳笑顔の入社式

奈良交通は奈良市の本社で入社式を開き、18人が新たな門出に気を引き締めた。このうち一人は男性バスガイド。創業から約81年の歴史で初めてだ。 【写真】日立、入社式を服装自由にしたら…「少し色がついた」(広報)  「女性が多いからと言って、男性だからできないことはない」。同社初の男性バスガイドとなった春山大地さん(18)は笑顔で語った。  目指したきっかけは、高校2年生の時に訪ねた沖縄への修学旅行だ。歴史や文化をわかりやすく解説するバスガイドを見て、誰かの思い出に残る仕事に就きたいと思うようになった。  元々旅行が好きだったこともあり、高校3年の8月、進路選択をする時期になると、観光業を中心に求人票を読み込んだ。その中に奈良交通の案内を発見。要項には「バスガイド」の文字があった。「お客さんが笑顔になるような仕事ができるかもしれない」と応募を決めた。  奈良交通によると、ガイドの募集に性別の制限は設けておらず、過去にも男性からの応募はあったが、採用には至らなかったという。春山さんはバスガイドに女性が多い印象は持っていたが、「やりたいことをやるのが一番」と面接を乗り越え、10月に内定をつかみ取った。  奈良は文化財が多い観光地。歴史は少し苦手だと話す春山さんだが、内定後は日本史の教科書や資料集を読んで勉強に励んだ。  1日の入社式は、バスガイド用の制服を着て、緊張の面持ちで辞令を受け取った。5月中まで研修があり、京都や奈良を回るコースでデビューを果たす予定だ。「いろんな世代と関われるのも楽しみ。頑張ります」と意気込んだ。【木谷郁佳】

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