多賀城で「ことばのアートジェクト」 全国から公募の心温かいメッセージ100件掲示

大切な人に宛てたメッセージや元気をもらった言葉を掲示する「ことばのアートプロジェクト」が、多賀城市内で展開されている。多賀城創建1300年記念事業の一環で、公募で全国から寄せられた言葉をフラッグなどにして駅前や図書館で紹介。街路樹や道に咲く花のようにさりげなく、心温まる言葉の数々がまちのあちこちを彩っている。

 「あなたらしく生きればいい。そんなあなたが大好きです」「大丈夫、きっとうまくいく」「誰かがちゃんと見てるから」

 市立図書館の1階で吹き抜け部分を見上げると、色とりどりのフラッグに記された言葉が視界に飛び込んでくる。JR多賀城駅前のバスプールや駅と市役所を結ぶ歩道沿いの街灯にも柱巻きが施されている。1、2月に公募して集まった1227件のうち、市民らの投票で共感度の高かった100件を選んで各所に掲出した。

 今年の創建1300年を示す唯一の根拠が多賀城碑の碑文であることから、市は言葉の力を活用したまちづくりに着目。同様の取り組みを20年以上続ける松山市を参考に、来年以降も多賀城独自の文化として根付かせることを目指す。市市民文化創造課の担当者は「日常に溶け込む形で掲示し、ふとした時に見る言葉で心が温かくなるようなまちにしたい」と意気込む。

 プロジェクトは多賀城碑を起点に俳句、版画にも広がる。3月27日には多賀城碑のそばでワークショップがあり、中高生らが同市在住の俳人高野ムツオさん(76)と共に俳句作りに挑戦。前回のワークショップで作られた23句もアクリル板に刻まれ、碑の周辺の木々に飾り付けられている。

 ワークショップに参加した多賀城高3年の玉田孔さん(17)は「『地元の多賀城がさらに華やぐように』との願いを込めて句を作った。(言葉の掲示は)元気づけられるし、地域が明るく活発になる」と話す。

 市立図書館2階では、碑文の141字から受けたインスピレーションを市民らが版画で自由に表現した「令和の多賀城碑」も展示されている。

 掲示は5月8日まで(屋外は6月24日まで)。

タイトルとURLをコピーしました