多くの職場をダメにしている「自己正当化する人たち」の不安の正体

根性論を押しつける、相手を見下す、責任をなすりつける、足を引っ張る、人によって態度を変える、自己保身しか頭にない……どの職場にも必ずいるかれらはいったい何を考えているのか?発売即重版が決まった話題書『職場を腐らせる人たち』では、ベストセラー著者が豊富な臨床例から明かす。

自己正当化に終始する人たち

日本企業には、さまざまな職場を腐らせる人たちがいる。

その一つのタイプに、自己正当化をする人たちがいる。

〈指示待ちタイプというだけならまだしも対処のしようがあるが、なかには持論を繰り返し、自己正当化に終始する若手社員もいる。たとえば、IT系企業に勤務する20代の男性社員は、結果さえ出していれば協調性なんて要らないと思っているのか、大量の仕事を抱えた同僚が忙しそうにしていて困っていても、手伝おうとしない。上司が手伝うよう促しても、「僕の仕事ではありませんから」と言って、協力しない。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

〈相手によって態度を変える人は、方針もコロコロ変えることが多い。朝令暮改も日常茶飯事なのだが、これは“上”から気に入られることしか考えていないからだろう。“上”からちょっと言われただけで、それまでの方針を百八十度転換することもある。そのため、こういうタイプを上司に持つと、部下は振り回されてばかりで、本当に苦労する。自分で調べてください

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指示が行き当たりばったりで、一貫性がなく、すぐに方針が変わる一因として、自信がないこともある。おくびにも出さないが、実は「この方針で大丈夫だろうか」とびくびくしているからこそ、指示が二転三転する。朝令暮改の上司ほど「状況が変わったんだから、臨機応変に対応しないといけない」と正当化するが、そのたびに右往左往する部下のほうはたまったものではない。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

言われたことしかせずそんな自分と正当化、相手によって態度を変える人……いるいると思う人も多いだろう。

なぜ自己正当化するのか

では、なぜ自分を正当化したり自己保身に走るのだろうか。

その根底には、「喪失不安」が潜んでいる。

〈自己保身願望の根底に喪失不安が潜んでいると、自己正当化に拍車がかかるので、さらに厄介だ。ほとんどの場合、「失うのではないか」「失ったらどうしよう」という不安の対象になるのは、本人が管理職であろうがパートタイマーであろうが、現在の地位や収入である。それが本人にとって大切であるほど、喪失不安が強まり、「自分にとって大切なものを失ったら困るから、それを守るためには何をやってもいい」という自己正当化の心理が働く。これが怖い。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

日本社会ではコロナ禍もあり、より喪失不安をかき立てられるようになった。こうした人が身の回りにいる方は気をつけていただきたい。

つづく「どの会社にもいる「他人を見下し、自己保身に走る」職場を腐らせる人たちの正体」では、「最も多い悩みは職場の人間関係に関するもので、だいたい職場を腐らせる人がらみ」「職場を腐らせる人が一人でもいると、腐ったミカンと同様に職場全体に腐敗が広がっていく」という著者が問題をシャープに語る。

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