RSウイルス流行の兆し、患者数3週連続増-東京や大阪などで感染拡大

東京や大阪などの都市部を中心に、冬季に流行するRSウイルスの感染が拡大している。国立感染症研究所感染症疫学センターのまとめでは、9月9日―15日の週のRSウイルス患者報告数(小児科定点医療機関約3000か所)は、3週連続で増加し、調査を開始した2003年以降の同期比で2番目に多い3469人となった。前週に比べて患者が約4割増えた大阪府は「今後の推移に注意が必要」として警戒を強めている。
 RSウイルスは、呼吸器感染症の1つで、感染から2-8日後に上気道炎、気管支炎、細気管支炎、肺炎などの症状が現れる。患者のほとんどは軽症で済むが、小児を中心に呼吸困難や細気管支炎、肺炎など重症化するケースもある。特に早産児や心肺系に基礎疾患のある乳幼児は重症化するリスクが高いという。
 各都道府県別の患者報告数は、福岡の324人が最も多く、以下は東京302人、大阪288人、鹿児島170人、宮崎163人、新潟158人、山口155人、愛知154人など。東京都は3週続けて増加し、同期間中の患者数は過去5年間で2番目に多く、2歳までの小児が全体の9割を占めた。
 4週前に比べて患者報告数が4倍近く増えた鹿児島市は、「昨年に引き続き、例年より早めの増加傾向を示している」として、手洗いやうがいといった感染予防策の徹底を呼び掛けている。【新井哉】

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