SNSより企業ホームページの使いやすさ 改めて見直される動き

7月23日、ICT総研は2013年度の企業ホームページ満足度調査の結果をまとめた。13業種52社の企業ホームページに対し、ユーザビリティ・利用満足度のユーザー評価に焦点を絞って1万7783件のWebアンケート結果(調査実施期間:2013年7月5日~8日)を集計・分析した。
「到達性」、「デザイン」、「メニュー構成」、「情報量の適切さ」、「内容のわかりやすさ」、「ページ全体の印象」、「HP全般の満足度」という7つの項目についてそれぞれ100点満点で点数をつけてもらい、総合満足度は700点満点。総合トップはサントリー(415.8点)だったが、業界内で1位と2位の差がもっとも開いたのは「移動通信」カテゴリのソフトバンクモバイル。総合満足度360.1点を獲得し、2位のKDDI(321.7点)と40点近い差をつけた。以下イー・アクセス(321.3)NTTドコモ(304.8)と続く。
 SNS時代といわれるなか、実は見逃されがちなのが、この「自社サイトの使いやすさ」だ。これは企業サイト全盛期の2000年代、「Webブランディング」などといわれ、各社注力した部分。最近ではすっかりTwitterやフェイスブックとの連携やWEB PRばかりに目が行き、自社サイト自身の使いやすさはすっかりおろそかになっている企業も多い。
 そんななか、ソフトバンクが1位になったのには理由がある。
 ソフトバンクモバイル・マーケティング本部Webコミュニケーション部の担当者は、昨年まで業界3位に甘んじていた自社サイトの使いやすさについて、まず何が問題となっているのか徹底的にデータを使ってリサーチしたのだという。孫社長の「1位を目指す」DNAがある同社は、昨年から“圧倒的な”1位を目指した「Webナンバー・ワンプロジェクト」を始動させていたのだ。そして最初に行なった調査の結果わかったのは、訪問するユーザーの9割はソフトバンクユーザーだったということ。当たり前のように聞こえるが、同社は自社サイトを“新規開拓を目的として作っていた”という。もちろん自社サイトの役割として「ファンを増やす」という一面もあるだろうが、キャリアにおいては、ユーザーが、使用している端末などの情報や、購入を検討するユーザーが調べるためのものということがわかり、担当者は改善を試みる。
「徹底的なデータ戦術をとりました。数千人規模で毎月それぞれのキャリアのユーザーに、来訪目的、何を見て決めているか、料金はどうか、製品はどうか等々、カテゴリ別に詳細なアンケートをとりました。それを週一回以上実施し、結果をみて一日以内に改善。つまりサイトはほぼ何か変わっている状態でしたね」(担当者)
 同社のWebサイトといえば、孫社長の「やりましょう」「検討します」「できました」という“進捗状況報告ページ”も有名。すぐに対応する力はさすがのDNAか。

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