SUUMO住みたい街ランキングに圏外から7駅が初めてランクイン! 東京駅から30~50km圏のシェア上昇

リクルートが発表した「SUUMO住みたい街ランキング2022 首都圏版」によると、人気ランキングに相当する「住みたい街(駅)ランキング」のトップ5は「横浜」「吉祥寺」「大宮」「恵比寿」「浦和」となった。いずれも複数の路線が乗り入れるアクセスに優れたターミナル駅だ。一方、前回は20位以下にとどまった「船橋」「流山おおたかの森」「北千住」がトップ20入りしたほか、東京駅から30~50km圏の多数の駅がランキング圏外から初めてランクインした。
 調査は、東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城の1都4県在住の20歳~49歳の男女1万人を対象としたインターネットによるもので、今回は精度を上げるため調査数を従来の7000人から拡大した。この変更に伴い、得点の推移データには、回答者数の拡大比率を各駅の得点に掛けている。

 東京駅から30~50km圏では、「京王多摩センター」「飯能」「我孫子」「木更津」「印西牧の原」「大和」「北鎌倉」の7駅が初めてランキングにランクイン。順位は146~201位。全体でみると決して人気とは言い難いが、リモートワークの普及や住まい、通勤に対する意識の変化が反映された結果といえるだろう。

 「藤沢」「辻堂」「江ノ島」「本厚木」「川越」「千葉ニュータウン中央」「上尾」なども、18年以降は過去最高順位を記録。今回、3位に食い込んだ「大宮」は「住みたい理由」として、「雰囲気やセンスのいい、飲食店やお店がある」が急増している。

 一方、「住みたい自治体ランキング」をみると、トップ5はいずれも都内が独占し、「港区」「世田谷区」「渋谷区」「目黒区」「千代田区」となった。横浜駅が立地する神奈川県横浜市西区は、自治体としては19位にとどまっている。

 ちなみに、住みたい街(駅)ランキングにランキング圏外から初めてランクインした駅のうち、「鎌倉市」「多摩市(京王多摩センター)」「我孫子市」「印西市」「木更津市」は過去最高順位、21年に初めてランクインした「飯能市」は過去最高得点を記録。駅と自治体の人気はおおむね連動すると考えられる。

 「大宮」「浦和」をはじめ、多くの駅が躍進した埼玉県では、2月28日に公開した22年度からの「埼玉県5か年計画」において、「日本一暮らしやすい埼玉へ」をスローガンに掲げている。また、県内を「県南」「圏央道」「県北」と3つのゾーン・10の地域に分類し、人気の高まる県南ゾーンでは子育て支援・高齢者を支える体制強化を進める。 埼玉県が定めた圏央道ゾーンは都心から30~60km圏内、SUUMO住みたい街ランキングで今回、順位が上がった駅は30~50km圏内と、10kmの違いがある。この10kmのギャップが縮まるか、「人気ランキング」として精度が高いと思われるリクルートの調査に引き続き注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)

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