TBS「東大王」チーフディレクターが、女性ADへの不適切行為で“懲罰人事”

「クイズ番組『東大王』のチーフディレクターを務めるA氏が10月1日付けで制作局から総合編成室への異動を命じられました。局内でも理由は開示されていませんが、彼は今年8月のロケで問題を起こしたばかり。“懲罰人事”だったことは明らかです」(TBS関係者)

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不祥事に揺れるTBS ©共同通信社 社長は「放送局にとって視聴者の信頼こそが命」

 人気ドキュメンタリー番組「クレイジージャーニー」における“暴行事件”やヤラセ問題、「消えた天才」での映像加工問題など不祥事が相次ぐTBS。佐々木卓社長は9月17日に全社員を集めて緊急集会を開き、社を挙げて再発防止と信頼回復に取り組むことを誓った。

「昨年、佐々木氏が社長に就任して以来、TBSは法令遵守にくわえ、社内のハラスメントにも厳しく対応していく姿勢を打ち出したばかり。集会では、社長自ら問題が起きた経緯を詳しく説明し、『放送局にとって視聴者の信頼こそが命』と呼びかけていました」(別のTBS関係者)

 その最中に、またしても人気番組に関わるTBSの社員が不祥事を起こしていたことが「週刊文春」の取材で明らかになった。

「東大王」といえば現役の東大生チームと芸能人チームが“頭脳バトル”を繰り広げる人気クイズバラエティ。2017年4月に放送がはじまって以来、安定して高視聴率を叩き出し、世の「東大ブーム」、「クイズブーム」を牽引するヒット番組だ。2人きりになった部屋で女性ADに……

 問題が起きたのは、今年9月11日に放送された「ハワイ修学旅行編」のロケでのことだった。番組関係者が語る。

「東大生チームが芸能人チームに10連勝した“ご褒美”と、東大王・伊沢拓司の番組卒業祝いを兼ねた特番で、ハワイでのロケは8月23日から25日まで2泊3日で行なわれました。その最中にA氏は宿泊先のホテルに20代の女性ADを呼び出し、密室で不適切な行為に及んだのです」

 ロケにはMCで引率役のヒロミをはじめ、鈴木光、水上颯ら5人の東大王が参加。アロハシャツを着て、オアフ島を巡りながら現地にまつわるクイズに挑戦した。

「2人きりになった部屋でA氏はADに関係を迫り、彼女は拒みながらもA氏の気持ちを静めるために上半身だけ裸になったといいます。胸を見せただけだという証言もありますが、派遣会社から来た立場の弱い彼女は社員のA氏に逆らうことができなかった」(同前)

「部下に“ストリップ”をさせるなど言語道断」

 事態を把握したTBSはA氏を事情聴取。A氏は自宅謹慎を命じられ10月1日付けで制作局からの異動を命じられたという。

「出演者にトラブルの内容は知らされていません。それどころか、局内でも事情を把握している社員はほとんどいない。オンエアされた番組のクレジットにもA氏の名前は表記されたままで、外部に問題が漏れないようひっそり処分が下されていたのです」(別のTBS関係者)

 A氏は早稲田大学出身で、在学中に小島よしおらと出会いコントグループの結成にも携わった人物だった。

「バラエティ番組での仕事ぶりには定評があり、『東大王』には途中からディレクターとして参加。芸人と親交が深く、後輩からも慕われる人格者だったのですが……」(同前)

 TBSが制作する映画の監督を務めるなど、将来を嘱望された有能な社員だったというA氏。彼の知人や関係者は口々に「まさかあのAが」、「信じられない」と驚きの声をあげている。

「A氏にも言い分はあるようです。たしかに、密室で何があったのかは当事者にしか分からないこともあるが、どんな事情があろうと部下に“ストリップ”をさせるなど言語道断。事態を重く見た局はA氏を制作の現場から外し、別の部署に飛ばしたのです」(前出・番組関係者)

 事情を聞こうとA氏に取材を申し込むと、「その件は会社と話し合ってお答えしようと思います」(A氏)と言ったきり、連絡が返ってくることはなかった。

 改めてTBSに質問状を送り、A氏が職務上の立場を利用して女性ADの上半身を裸にしたことや、部署異動や自宅謹慎処分が下された事実関係などについて質したが、いずれの質問に関しても「一般社員の個別の人事案件については、お答えを差し控えます」(社長室広報部)と答えるのみだった。タクシー運転手とトラブルを起こした若手社員も

 TBSが公にしていない不祥事はこれだけではない。別のTBS関係者が言う。

「今年8月下旬、『東大王』にADとして関わったこともある若手社員Bがタクシー運転手とトラブルを起こし、警視庁管内で逮捕されている。Bは運転手に暴言を吐いた上、運転席と後部座席を仕切るアクリル板を引き剥がし、走行中に路上に投げ捨てたという。悪質な行為でしたが、被害者側と“示談”が取り交わされ、すぐに釈放されているため特段の処分は無かった」

 B氏は東大出身で、幹部が期待を寄せるエリート社員。だが、以前からツイッターに会社批判や上司の悪口を書き込むなど言動が問題視される人物でもあった。

 B氏の“逮捕”についてTBSはこう回答。

「暴行の事実はありません。この事案は、相手の方とお話し合いの上、解決したものと承知しております」

 信頼回復を掲げる前に、まずはこの隠蔽体質を改善すべきではないか。

「週刊文春」編集部/週刊文春

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