TBSの佐々木卓社長(63)が31日、東京・赤坂の同局で定例会見を行い、ジャニーズ事務所の元所属タレントが告発した、創業者のジャニー喜多川前社長(2019年死去、享年87)の性加害問題について言及した。 佐々木社長は「今回は複数の方々が被害を訴えている状況の中で、会社として謝罪し、対応を公表した認識している。当社としても報道の現場の判断で適切な報道を行っております。先週末の事務所からのリリースで対応を進めているというふうに思っておりますので、それが今後ちゃんと進んでいくのかどうかを大事かなと思っています」と受け止めを明かした。 また、番組制作について龍宝取締役は「「番組の対応について、ジャニーズの皆さんとはさまざまな形で関係がありまして、現場ではそれぞれコミュに―ションをしっかり取って、適切な対応をしていると考えております。本当は他社との個別のやり取りについてはお答えしていないのですが、現時点、事務所は対応策をしっかり公表していらっしゃるので、引き続き、対応を進めていくのでは」と見解。タレントの起用については「個人の方が問題を起こしたわけではない。キャスティングを変更することは考えておりません」と変更はないと説明。「事務所さんの対応が発表されておりますので、その状況を見守ると様子を拝見していきたい」とした。 ジャニーズ事務所は今月14日、藤島ジュリー景子社長が「深くおわび申し上げる」と被害を訴える人に謝罪するなど、ジャニーさんの性加害問題について初めて見解を発表。一方、この問題への対策が長年取られなかったとして、これまでのジャニーズ事務所の体制を「異常」と表現。再発防止に取り組むことを強調。また、26日には26日に「心のケア相談窓口の開設」「外部専門家による再発防止特別チームの設置」「社外取締役の就任」の対応策を発表した。 所属タレントとしても、最年長の東山紀之が21日に出演した情報番組でスーツ姿で眼鏡をかけた沈痛な表情で「心を痛めた全ての方々、本当に申し訳ありませんでした」などと謝罪。「このままジャニーズという名前を存続させるべきなのか」と社名についても言及。「外部の方とともに全てを新しくし、透明性を持ってこの問題に取り組んでいかなければならないと思います」と、事務所改革のため創業以来60年以上続く社名を変更する可能性を示唆した。 3月に英BBCのドキュメンタリー番組で取り上げられ、4月に元ジャニーズJr.で歌手のカウアン・オカモトが会見で性被害を受けたと主張したことで大きな注目が集まった性加害問題。ジュリー氏は「事務所の存続さえ問われる、極めて深刻な問題」と受け止めたが、これまで「知らなかった」とした。ただ、問題については1999年に週刊文春が記事化し、後に事務所との裁判にも発展している。この時、ジュリー氏は取締役。幹部でありながら知らなかったのか。その理由を「異常」という言葉を用い、事務所の体制に問題があったと説明した。