観光庁は24日、東日本大震災の影響で訪日客数が伸び悩む東北の魅力を、世界に発信するキャンペーンを始めたと発表した。米CNNテレビでCMの放映を始めたほか、メディアや旅行関係者500人超を今後、東北に招く。
CNNテレビのCMは、26日から始まる主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせて放映。メディア関係者らの招待は6月から順次、地元の祭りやイベン ト、商談会などの機会に実施する。欧米やアジアの著名人を起用した情報発信にも力を入れる。東北6県への国際路線を新たに就航した航空会社に対し、広告費 用の一部を支援する。
さらに東北ならではの食や自然、祭り、温泉といった観光資源を発掘し、磨き上げることで、知名度アップを狙う。
観光庁によると、2015年の外国人延べ宿泊者数(全国)は震災前の10年の2倍以上に増えた一方、東北6県は震災前の水準を取り戻すにとどまった。政府 は震災5年の今年を「東北観光復興元年」と位置付けており、石井啓一国土交通相は24日の記者会見で「全国的なインバウンド(訪日客)急増の流れから大き く遅れている」と強調し、対外PRに意欲を示した。