TPPで軽自動車が消えてなくなる?【軽自動車規格は非関税障壁か】松下コラム【特集・コラム:ビジネス・経済】

軽自動車の規格は、外国車を差別するものではない
 ここ数カ月、すったもんだを続けた結果、野田首相がTPP交渉のテーブルに着くことを表明しました。
 個人的には、貿易に限らずあらゆるシーンで自由が尊重されるべきとの考えなので、TPP参加がなんでこんなに国論を二分するような話になってしまうのかと思います。
 基本的には、資源のない日本は加工貿易国家として生きて行くしか発展の道はなく、貿易で稼ぎ、稼いだ企業からの税金で農業などの支援すべき分野の育成を進めるのが良いのではないかと思います。
 それも、休耕田に補助金を出すようなやり方ではなく、農業で真剣に生きて行こうとする専業農家を育成するような形で保護なり、補助金なりの施策を考えるべきだと思います。
 自動車関係では、日本の軽自動車規格が非関税障壁であるとの指摘を受けるのではないかという懸念が一部で生じています。
 軽自動車に対する税制が保護・優遇策であるとの指摘は、以前にも一部の外国メーカーから語られたことがあります。
 でも、日本の軽自動車規格は、外国車を差別するための優遇策として設けられているものではありません。外国メーカーであっても軽自動車規格に合致するクルマを作ったなら、同様の税制が適用されるのですから、適用を受けたいと思ったら、そうしたクルマを作れば良いだけのことです。
 実際、スマートの初代モデルが輸入された当初は、スマートKとして軽自動車規格に合致して黄色いナンバーを付けることができました。当然ながら税金なども軽自動車のものでした。私も正規輸入が始まる前に並行輸入されたスマートに乗っていた時期がありますが、そのときには軽自動車として税金を負担していました。
日本に合った独自の軽自動車規格を守るべき
 TPPで日本の軽自動車規格が俎上にのぼるかどうかは分かりませんが、仮に指摘されたとしても十分に反論できるものと思います。
 軽自動車の税制については、国内の自動車メーカーからも優遇ではないかと指摘されたことがありますが、規格と引き換えの税制ですから、優遇というのとは違うものと思います。
 軽自動車の規格が今のままで良いかどうかといえば、改善の余地があると思いますが、毎年200万人近いユーザーが選んでいる軽自動車は、日本独自の自動車規格として大切にして行くべきでしょう。
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