W杯での集客見越し、ロシア初ロボット売春宿がオープン

<6月に開催されるサッカー・ワールドカップを見込んで、ロシア初となる「ロボット売春宿」がモスクワにオープンした>

ロボットと部屋代で1時間9000円弱

英国のテレビ・ドラマ・シリーズ「ヒューマンズ」(日本ではHuluが独占配信中)をご存知だろうか。パラレル・ワールドを舞台にしたサイエンス・フィクション・ドラマで、AIロボットが一家に一台あるような世界だ。そこでは、風俗もロボットの女性が相手をする。あくまでもSFの世界だと思っていたのだが、この4月、ロシア初となる「ロボット売春宿」がモスクワにオープンした。

ロシアの通信社スプートニクの英語版によると、ロボット売春宿「ドールズ・ホテル」が開業したのは、モスクワの繁華街。ドールズ・ホテル代表者はロシアのメディアに対し、「通常の時間制ホテルにひねりを効かせたもの」と説明しているらしい。

英紙デイリーメールによると、1時間あたりの部屋代は17.75〜29.50ポンド(約2600〜4300円)だ。これにセックス用ロボット(セックスボット)を借りると、レンタル代込みで部屋代は1時間あたり60ポンド(約8800円)となる。

W杯のファンや選手の利用を期待

この売春宿で使用されるセックスボットは高度なAI(人工知能)や運動制御システムを搭載し、人間のような体温になるよう加熱装置も付いているという。

デイリーメールによると、今この時期にオープンしたのにはわけがある。6月に開催されるサッカーのワールドカップを観戦しにロシアに来るサッカーファンを見込んでいるのだ。

ドールズ・ホテルの広報担当者はデイリーメールに対し、「ワールドカップ中の利用客の増加を心から待ち望んでいます」と語り、外国人客を受け入れるための特別許可も申請中と説明した。もし監督や経営陣が許すようであれば、選手が利用してくれるのも大歓迎、とのことだ。

「売春宿」というと響きが良くないが、メディアに掲載されているホテルの写真を見る限り、青を基調にした清潔感あふれる部屋で、壁には日本のアニメ風のイラストも描かれており明るい雰囲気だ。

顧客が退室した後は特殊な液剤でセックスボットをしっかりと消毒するので、感染などのリスクはないとホテル側は説明している。

ロボット売春宿、欧州ではすでに複数存在

前述のスプートニクによるとドールズ・ホテルは、ロシア全土および旧ソ連諸国でのホテルの展開を目指している他、パーティ向けにセックスボットをデリバリーするサービスも開始する予定だ。

ドールズ・ホテル創業者のドミトリー・アレクサンドロフ氏によると、ロシア人の36%が性生活に満足していない。「大人向けの本格的な娯楽施設を作ることで、合法かつ安全に性生活を改善できるだけでなく、ロシア最古の問題でもある、女性に対する暴力的な搾取(売春)にも対抗できる」とデイリーメールに述べた。

ただし、ロシアの性科学者アレクサンドル・ポレエフ氏はデイリーメールに対し、セックスボットが人間の代わりになることはない、と話す。「人に触れられた時に人間の肌がどう反応するかを伝達できるテクノロジーはない」とし、それが人の魅力や性的な快感につながるのであり、外見的な印象だけではないと説明している。

とは言うものの、セックスボット売春宿はすでに、スペイン、ドイツ、英国などヨーロッパに複数存在する。

英国の民放iTVで放送中の女性向けバラエティ番組「ルース・ウィメン」では今年2月、仏パリで初となるセックスボット売春宿が開業したことを受けて、視聴者投票を行った。「自分のパートナーがセックスボット売春宿に行ったら、それは浮気だと思うか?」という質問に対し、89%が「思う」、11%が「思わない」と回答した。

また番組内では、パリのセックスボット売春宿は1時間あたり約78ポンド(1万円強)だが、人間相手の相場はパリで約100ポンド(1万5000円弱)であるため、生身のセックス労働者がセックスボットに職を奪われる可能性もある、と指摘していた。

実際に昨年3月には、スペインでオープンした欧州初のセックスボット売春宿が、セックス労働者からの反対に遭い移転を移転を余儀なくされている。

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