娯楽メディアとして広く浸透しているYouTube。特に若者や子供の間での利用率が高いイメージがあるが、40代以上の大人の中にもYouTubeにどっぷり浸かった生活を送っている人は少なくない。
40代前半の女性会社員・Aさんは、YouTubeで様々な動画を見るのが日課となっているという。
「元々はレシピ動画を見るくらいだったんですが、おすすめとして出てくる動画をなんとなく見るようになって、今では暇な時間はほぼYouTubeを見ています」(Aさん)
結婚して夫と暮らしているAさん。子供はおらず、家に1人でいることも多い。
「夫の仕事が終わるのが夜遅くて、大抵私のほうが先に家に帰ってきます。食事は基本的に別々に済ませるので、夜は私1人の時間が多い。そういう時は、部屋着を着てベッドでゴロゴロしながら、ずっとスマホでYouTube鑑賞。よく見るのは料理の動画、ペットの動画、コスメの動画などです。有名なYouTuberの動画を見るというよりは、とにかく関連動画から飛んで、いろんな動画を見まくります。あっという間に時間が過ぎていきます」(Aさん)
YouTube漬けの生活をするようになって、友人と飲みに行く頻度も減ったという。
「以前は夜に友人と食事をしたり、飲みに行ったりすることも多かったんですが、YouTubeを見ているとわざわざ出かけるのも面倒になってくるんです。そういう意味では、お金はあまり使わなくなりました。趣味としては安上がりだと思います」(Aさん)
昔のテレビ動画を延々と見続ける40代後半男性
40代後半独身の男性会社員・Bさんも、Aさん同様、YouTubeにハマってから出費は減っているようだ。
「サブスクリプションを利用しているということもあるんですが、映像コンテンツへの欲求をYouTubeが満たしてくれているという感じはあります。今はMV(ミュージックビデオ)なんかもアーティストが公式にYouTubeで配信していることも多い。“とにかくまずはYouTubeで検索”という感じになっています」(Bさん)
YouTubeの動画を見て「買った気になる」
40代既婚の男性会社員・Cさんもまた、毎日YouTubeの動画を楽しんでいる1人。Cさんが主に見ているのが“開封動画”だ。
「デジタル系のガジェットの開封動画が好きでよく見ていますね。たとえばスマホ、ワイヤレスイヤホン、デジカメなど、話題の新製品の開封動画はとりあえずチェックします」(Cさん)
新商品の開封動画は、YouTubeの中でも定番のコンテンツだ。多くのYouTuberたちが、製品を箱から出して実際に使った感想などを動画にまとめて、アップしている。
「最初は、単純にほしいと思っていたデジカメの使用感を知りたくて、開封動画を見ていたんです。それが面白くて、今となっては特に欲しいわけではないガジェットの開封動画も見るようになりました。
ただ、動画で見たガジェット機器を実際に買うということは、ほとんどありません。むしろ動画を見ることで“買った気になる”という感じというか。あるいは、買えない代わりに動画を見て楽しむという感じかもしれません。いずれにしろ、YouTubeの動画のおかげで、買い物をする機会が減りました」(Cさん)
またCさんはゲーム実況の動画も好きだという。
「元々ゲームが大好きで、熱心にプレイする方だったんですが、実況動画を見るようになってプレイする頻度が落ちました。これも開封動画と一緒で、実況動画を見ることで満足しちゃうんです。無駄にたくさんゲームを買うこともなくなったし、良い節約になっていると思います」(Cさん)
今回紹介した40代の3人に共通しているのは、YouTubeを見るようになって結果的にお金をあまり使わなくなったということ。節約面では効果的かもしれないが、こうした大人が増えていくと日本経済はちゃんと回っていくのか、少し心配な面もある。