YouTubeのSEOで注力すべき5つの要素とは? 動画検索ランキングにに直接の影響がないにしても把握しておくといい3つの注目ポイントとは? ランドが解説する
YouTubeにオーディエンスがいる人は、リーチするためにできる限りのことをやっているだろうか? 今回のホワイトボード・フライデーでは、ジャスティン・ブリッグス氏による大規模な調査に触発されたランドが、YouTubeのSEOに取り組むにあたって注力すべき重要な要素を取り上げる。
Mozファンのみんな、こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。今回は、YouTubeのSEOについて話そう。僕は幸運にも、しばらく前にサンディエゴで開催されたSearchLove Conferenceで講演する機会を得た。そこにはジャスティン・ブリッグス氏もいて、YouTubeのSEOについて、同氏が実施した非常に大規模な調査について話していた。
この調査は、YouTubeの検索エンジン全体に及ぶ(確か10万件だったと思うが)さまざまな動画のランキングに加えて、YouTubeの何千ものチャンネルや個々の動画のパフォーマンスをブリッグス氏が調べたものだ。
ブリッグス氏はいくつかの素晴らしい結果を導き出した。参照したのはTwitterアカウント@justinrbriggsで、同氏のウェブサイトはBriggsby.comだ。この調査は、膨大な量のデータと併せて、ここで確認できる。ただここでは、ブリッグス氏が言及した特に重要なポイントや、この調査で同氏が導き出したいくつかの結論をまとめてみたい。YouTubeのSEOをやっている人なら特に、調査の全文をチェックすることを強く推奨する。
動画ランキングで成功するための5つの重要な要素
まず、動画ランキングで成功するには、いくつか重要な要素がある。ここで、動画ランキングで成功するとはどういうことかを確認しておこう。それはつまり、次のようなことだ:
だれかがYouTubeで特定のキーワードで検索したときに、それが必ずしもブランドのキーワードではない場合に、何が表示されるかということ。
グーグルで成功する検索順位決定要因について考えるのと同じようなことで、これはYouTubeの場合の成功要因だ。ただし、これを達成したからと言って可能な限り多くの再生回数が得られる要因というわけではない。むしろ、そのいくつかは逆効果となる。
① 動画の再生回数と視聴時間
動画の再生回数と視聴時間から始めよう。これらは相関性が非常に高いことがわかっており、ブリッグス氏の見解では、ランキングの高さとも因果関係があるようだという。
もし動画を公開している人で、競合相手の動画と競っている場合、
- 相手より再生回数が多く、
- 再生回数1回あたりの平均視聴時間(つまり、どれほど多くの人が動画の内容をより多く見ているか)も長い
場合は、相手よりも検索パフォーマンスが高いことが多い。
② 検索者のクエリと一致するキーワードを含むタイトル
第2に、YouTubeでは、通常のグーグル検索と比べてキーワードの一致が重要だと今でも考えられている。
一致キーワードがテキストとして存在することは、通常のグーグル検索では重要でないというわけではない。しかしYouTubeではさらに重要ということだ。より大きな要因でさえある。
基本的に、ブリッグス氏のデータから分かるのは、キーワードの一致に関しては次のような傾向があるということだ。
- 動画タイトルのキーワードフレーズが完全に一致する場合のほうが、部分一致の場合よりわずかにパフォーマンスが高い
- 部分一致の場合は、まったく一致しないかごく一部しか一致しない場合よりはるかにパフォーマンスが高い
したがって、パンダが食べるものを撮影した動画をランク入りさせようとしているとする。その動画のタイトルは、「パンダが食べるもの」とするほうが、おそらく、たとえば「パンダの消費習慣」や「パンダによる食物の選択」といったタイトルにするよりも、はるかにうまくいくだろう。検索者が検索するのと同じように動画について説明し、動画のタイトルを付けるようにすれば、検索者がYouTubeをどのように使っているかについて有益な情報が得られる。
さらには、グーグルのキーワード検索から返されるデータも利用できる。特にグーグルのキーワード検索で動画が1番上に表示される場合は、YouTubeでも多くの需要があるかもしれないということだ。
③ タイトルは短く(50字未満)、説明文に多くのキーワードを含める
次に、タイトルと説明文だ。このデータセットでは、次のようにしたる場合に、最高のパフォーマンスが得られる傾向があった。
- タイトルは、50字未満の短いものにしよう。
- 説明文は、200~350ワードにして多くのキーワードを含めよう
したがって、YouTubeの動画のタイトルや説明をどの程度の長さにするべきかのガイドラインを探している人は、一般的にはこれがベストプラクティスと言えるだろう。これより少し長くなってしまっても大きな問題ではない。パフォーマンスが劇的に下がるわけではない。しかし、この数字の前後にとどめておくことが賢明なのは間違いない。
④ キーワードタグ
第4に、キーワードタグだ。YouTubeでは、動画にキーワードタグを適用できる。
これは数十年前にグーグルのSEOにあったもので、meta keywordsタグを使っていた。YouTubeには今もある。これらのキーワードタグは、ランキングにはやや重要という程度に思えるが、おすすめ動画ではもっと重要性が高いように思える。これらのおすすめ動画は、デスクトップでは再生動画の右側に表示され、モバイルでは再生動画の下に表示される。
これらのおすすめ動画は、現在再生中の動画を見続けた場合に、次に再生される動画でもある。どちらにも大きな影響力があり、より多くの視聴数を獲得できるため、当然ながらランキングを上げる助けになる。
キーワードタグは2~3のキーワードフレーズ要素で使おう。ブリッグス氏のデータセットで最高のパフォーマンスを見せていた動画は、たいていがユニークなタグを31~40個使っていたが、これはかなり大きな数だ。
つまり、「パンダが食べるもの」の動画を公開している人たちは、動画に「パンダ」「動物園」「動物」「哺乳類」」といったタグを付け、時には「有袋類」というタグを付けることもあるかもしれないが(パンダは有袋類だったと思うが、確信はない)、そういったタグを使うということだ。その中で、31~40個のさまざまなタグを追加した動画が最高のパフォーマンスを示す傾向があった。
追加するキーワードタグが多すぎると逆効果になると心配している人は、そういうこともあるかもしれないが、ここではかなり上の限界に達するまでそうはならない。
⑤ 動画の長さによって、パフォーマンスやランキングが変わってくる
第5に、最高のパフォーマンスが得られる動画の長さに関しては次のような傾向があった。
- 長さが10~16分であれば、ランキングで最高の効果が得られる傾向がある
- 2分以内の動画は、YouTubeのオーディエンスには非常に嫌われる場合が多い。パフォーマンスはよくない
- 4~6分は再生回数が最も多い
これは、どんなゴールに向かって最適化するかによって適切な尺が異なることを示している。ホワイトボード・フライデーでは、情報を伝えることを目的としており、そうした情報を便利で興味深く、有益なものにすることを目指している。そのため、今後も10~16分を維持することになるだろう(これがホワイトボード・フライデーのパフォーマンスの高さとも相関性があるのは嬉しいことだ)。
しかし、たとえばリリースする新製品のプロモーション動画を作る場合は、4~6分の動画にして、できるだけ多くの視聴数、できるだけ広範な拡散、できるだけ高い認知度を達成しようとするかもしれない。
3つの重要なポイント
他にも、僕が有益かもしれないと思った重要なポイントは3つある。
古い動画は平均して比較的パフォーマンスが高いが、新しい動画は急激に伸びる
ポイントの1つは動画公開からの経過日数と順位に関するもので、次のようなことだ。
平均すると古い動画の方が上位に表示されるが、新しい動画が公開されると、ランキングが急激に上がる傾向がある。
ブリッグス氏はデータセットを使って、こんな感じのすばらしいグラフを作成していた。動画公開から「0~2週間」「2~6週間」「6~12週間」「1年」経過すると、ランキングがこのように変化する。
ブリッグズ氏は、動画公開からの経過時間とランキングについて、ほかにもいくつか調査している。しかし、グラフの動きを見ると、最初の2~6週間で上位に浮上するという考えどおりに変化しており、最初の0~2週間に最も高くなることがわかる。
したがって、コンテンツを定期的に公開して「なんだ、この動画は伸びなかった。もう一度トライしてみよう。この動画も伸びなかった。おっと、今度はうまくいった。これこそオーディエンスが探していたものなのだな。これは本当に強かった」というようなことをしているのなら、この公開初期の効果をうまく使っているということだ。
チャンネルは動画のランキング上昇に役立つ
チャンネルは、ブリッグス氏が深く掘り下げていたものだ。僕はここであまり取り上げたことはないが、ブリッグス氏はチャンネルの最適化について多くの調査をしていた。
チャンネルの登録者は、非登録者と比べて、次のような傾向がある。
- コメントしてくれる
- 「高く評価」してくれる(いいね!アイコンをクリック)
- 平均視聴時間が長い
こうした登録者のの存在によって、チャンネルが確かに個々の動画を後押しする働きをする。
ブリッグス氏によると、登録者がもたらす評価指標から恩恵を受けるには、1000人以上の登録者を目指すところから始めると非常にうまくいくという。再生回数だけでなく、ランキングにもプラスの影響があることが多い。
ただし、この両者が因果関係にあるのか、あるいは相関関係にすぎないのかはわからない。
埋め込み動画とリンクは相関関係にあるが、それが因果関係なのかは不明
相関関係であって因果関係とは判断しきれないものに、次の2つがある:
- 埋め込み動画
- リンク
調査では、ランキングと埋め込み動画の関係を調べている。
棒グラフの棒が長いほどランキングは高く、短いほどランキングは低い。つまりここから読み取れるのは、次のことだ。
埋め込み動画が多いほど、パフォーマンスは高い傾向にあった(ウェブサイトに埋め込まれているケースが多かった)。
しかし、実験を通じて、多くの動画を埋め込むことでランキングを上げられることを証明できるかは、よくわからない。ある動画が上位に表示されて、多くの場所で取り上げられたとしても、「埋め込み動画が多いからランキングの上昇につながった」というよりも、「多くの人が埋め込んだから」にすぎないかもしれない。◇◇◇
さてと。動画を制作している人には(自分にとって重要なSERPに動画が表示される場合や、YouTubeにオーディエンスがいる場合は、できれば動画を制作した方がいいだろう)、この記事が役に立つことを願っているし、ブリッグス氏の調査をチェックしてみることを強くおすすめする。
では、またお会いできるのを楽しみにしているよ。ごきげんよう。