気象庁の津波情報 「避難不要」判断 最大3割 沿岸住民

東日本大震災で気象庁が発表した津波情報について、予想される津波の高さを聞いた人のうち岩手県では31%、宮城県では15%の人が「避難の必要はないと思った」ことが、内閣府と消防庁、気象庁の合同調査で分かった。時間の経過とともに岩手、宮城両県では大津波警報の高さが更新されたが、6~7割の人は更新を知らなかった。
 気象庁は今回の震災発生3分後、宮城で6メートル、岩手で3メートルとする大津波警報を発表。約30分後に宮城で10メートル以上、岩手で6メートルに更新し、その後さらに岩手も10メートル以上となった。
 津波情報や避難の呼び掛けを聞いたかどうかの設問では、岩手で49%、宮城で47%の人が「見聞きしていない」と回答。半数近くが情報を入手できなかったことが判明した。
 情報を聞いた人に内容を尋ねたところ、「予想される津波の高さ」と回答したのは岩手で46%、宮城で40%。このうち岩手の65%、宮城の83%が「避難しようと思った」と答えた。ただ、岩手の31%、宮城の15%が「避難の必要はないと思った」と答え、危機意識の低さが露呈した。
 警報が更新されたことに対し、岩手で63%、宮城で74%の人が見聞きしていなかった。いずれの県も半数近くが「避難していて情報を聞く余裕がなかった」としており、津波情報の第一報の重要性を示唆する結果となった。
 調査は今月上旬から下旬にかけて、岩手、宮城、福島3県の沿岸の一部自治体の避難所で、面接方式で実施。岩手391人、宮城385人分の集計が速報結果として、気象庁が27日開いた津波警報改善に向けた勉強会で報告された。

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