文章作成のためのやってはいけない10か条(183〜187ページより)

1.常体(である調)と敬体(ですます調)を交ぜてはいけない
著者によれば、この部分を理解していない人は少なからずいるのだとか。
2.話し言葉を使ってはいけない
「そういう認識はなにげに微妙だ」というように書く人が増えているそうですが、公的な文章に話し言葉を用いることは、言うまでもなく御法度。
3.「僕は」「私は」という一人称を頻繁に使ってはいけない
使ってはいけないわけではないけれども、すべての文章に一人称をつけなければいけないと思い込んでいる人がいると著者は指摘しています。
4.「〜だと思う」「〜だと感じた」「〜だと考える」を多用してはいけない
5.「〜ではないだろうか?」という弱腰文を多用してはいけない
この表現がもたらすマイナスは、「論旨が弱くなる」こと。自身がなさそうな印象を与えかねないので、問いかけ文はここ一発というときだけに用いるべきだそうです。
6.主語(主部)を意識のなかで曖昧にしてはいけない
言語の基本構造である「何がーどうした」の「何が」が曖昧だと、背骨部分が折れてしまうといいます。慌てて書くと、基本構造が崩れがちだとか。
7.指示語(「それ」「これ」「その」等)を曖昧にしてはいけない
指示語が指しているものが曖昧だと、混乱を招きがち。フィーリングで「あれ」「それ」と使わず、逆に普段より強く意識して書けば、明晰でわかりやすい文章になるそうです。
8.長すぎる修飾語をともなう主語を作ってはいけない
長い修飾語は、文章のバランスを悪くするもの。単文の構造が頭でっかちになると、わかりにくい文章になるといいます。
9.パワーポイントに寄りかかりすぎてはいけない
文章力という基礎があってこそ、パワポによるプレゼンも的を射たものになるそうです。パワポを使いこなすことより、まずは基本の文章をきちんと書けるようになることが大切だというわけです。
10.無断でコピペをしてはいけない(187ページ)
コピペした文章を「自分が書いたもの」として提示するのは、他者の人格と自分の人格を区別していないことになると著者は主張しています。つまりは、モラルの問題だということです。

発想の転換法から質問の仕方、発言の仕方など、他にも働く大人のための教養が、本書では細かく説明されています。文章も読みやすく、また対話形式も多く取り入れられているので、日常の業務ですぐに役立てられるはずです。

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